僕の愛しい泥棒娘
王妃の毒殺騒ぎの件はまだ誰にも知らされて
いない。

総長が留守だったので近衛騎士団長が取り
調べることになったのだ。

二人が到着すると事件のあらましが知らされ
た。

侍女にこの中にジョナリオいるかと聞いたが
首を振った。

「なぜ、君は副団長のジョナリオだと言われ
て信じたんだ?」
 
とカリアス総長が侍女に尋ねた。

「第二騎士団の制服を着て副団長のバッチを
付けていて、ジョナリオと刺繍された上着を
着てました」

侍女はやっと自分が騙されたのだと分かった
ようで、泣き出した。

それまでは気丈に黙秘を貫いていたのに、
一気に腰砕けになったようだ。

見つからずに上手くやれるはずだったのだ。
それなのに、もう一人の侍女が見とがめて大
騒ぎし始めたのだと言った。

後ろを向いたときに薬を2~3滴たらしたの
で見えているはずはなかったのだと言って泣
き出した。

アウスレッドは何かが気にかかって

「見つけた侍女は何という者だ?」

「知りません。今日初めて見ました。
その侍女が大騒ぎしたので大事になってしま
ったんです」

アウスレッドはすぐに侍女頭に連絡して、毒
を入れていると大声で怒鳴って騒ぎ出した侍
女を連れてくるように騎士に言った。

それからすぐに侍女頭が執務室にやって来た
王妃様は大丈夫かと皆が問うと、
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