僕の愛しい泥棒娘
「はい、王妃様と公爵夫人は仲良くベッドで
おしゃべりをしています。もう大丈夫でしょ
う。公爵夫人が来てくださって笑顔が戻りま
した。今はお二人でまるで女学生の様に楽し
そうに笑いあっておられます」

「そうか、それはよかった。所で件の侍女は
どこにいる?」

とアウスレッドが、聞くと

「申し訳ございません。それがどこにもいな
いのです。ほんの1月ほど前に入った者で、
今日は他のものが担当の予定だったのです
が何でもお腹を壊して、王妃様に移るといけ
ないという事で直前に変わったようです。
皆に行って探しているのですが見当たらない
のです。申し訳ございません。
私の監督不行き届きです」

と言って侍女頭は深々と頭を下げた。

アウスレッドはすぐに失踪した侍女の採用時
の身上書を取り寄せた。

王妃付きの侍女ともなれば確かな推薦と出自
が求められる。

そこにはある侯爵家の推薦と子爵家の2女だ
という事が書かれてあった。

アウスレッドはその2家とも誓約書にサイン
と血判があった貴族家だと確認した。

そして今宰相の部屋には国王、宰相、騎士団
総長、近衛騎士団長、アウスレッド、ジョナ
リオの7名が険しい面持ちで座っている。

宰相は会議の主導をアウスレッドに任せるよ
うにアウスレッドに頷いて誓約書を渡した。

アウスレッドは、誓約書を机に広げて、テイ
アラの盗難から奪回そしてワイナリー公爵の
書斎の隠し金庫に入っていたこの誓約書を、
写し取ってもらった事を話した。
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