僕の愛しい泥棒娘
国王陛下と宰相にはこの誓約書の入手方法に
ついては確かな筋からと説明していたが、テ
イアラの盗難から、奪い返す時にこの誓約書
を見つけたのだという事は伝えていなかった
ので国王始めその場にいた全員が息をのんだ

ダミアサール家がテイアラを盗難されていた
事も初めて聞かされた国王は、アウスレッド


「レッド、よく取り返せたな。お前一人で忍
び込んだのか?」

「陛下、その話は置いておいてください。僕
は忍び込もうとしていたのですが、もっと有
能なものがいたという事だけお伝えしておき
ます」

そう言うと、皆がジョナリオを見ている事に
気付いたジョナリオが

「僕ではありません。アウスレッドが相談し
てくれれば何としても協力はしましたが」

「いやいや、お前に相談すれば騎士団を引き
連れて乗り込んで、却って大事になるのは火
を見るよりも明らかだから、そんな事は出来
ないよ。でもその人のお陰でこれが手に入っ
たんです。あと、裏帳簿も何か怪しい裏取引
の覚書もあったようですが表ざたにしたくな
かったので、テイアラは偽物と取り換えても
らって誓約書は書き写してもらったのです。
その時に物盗りと見せかける為に5000ギー
ス頂いてきたそうですがそれは手数料で相手
に渡っています。その後ワイナリー公爵家か
らは、盗難の届けは今まで出されていませ
ん」
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