僕の愛しい泥棒娘
「そうですね。どさくさにまぎれたという事
ですね。鍵が開いていたのも故意にでしょう
ただ公爵夫人がいらっしゃった事が誤算だっ
たんでしょうが…」

「リーヌもう帰ろう」

と父親の情けない声。

「何言ってんの。今日はアンと女子会なんだ
から、あなた一人で帰ってよ」

「ええっ、じゃあ僕も今夜は王宮の僕の部屋
に泊まる。アウスレッドはどうする」

「どうするもこうするもありませんよ。この
後陛下と宰相とユリアス様と会議ですよ」

「そうなのか、なら僕も参加するよ。せっか
く駆けつけてきたんだから、バンもお兄ちゃ
んが居たほうが安心だろ?」

陛下は呆れてものも言えないと言う顔をして
いる。

いい年してお兄ちゃんはないだろうとアウス
レッドもあきれ果てた。

だが、どうやっても憎めない人なのだ。

そうして5人で宰相の執務室に戻り先程ジョ
ナリオやカリアス総長とも話したことを、
相談した。

明日朝一番で、毒だと騒いだ侍女の行方を捜
して事情聴衆することと、王妃を避難させる
ことについての話し合いだ。

陛下は避難させるのも心配なのだが、王宮に
いるよりも安全ならやむを得ないと言った。

ユリウス団長は王宮の方が警護に万全を期し
やすいと言ったが、それでこの事態だ。

宰相も、アウスレッドも避難してもらう方に
傾いている。問題はその場所だ。

その時アウスレッドの父親のルシアーノ公爵
が口を開いた。
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