召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜
「昨日はどうも」
「……探しものは、見つかったんですか?」
「いいえ。だから声をかけたんじゃありませんか」

 確かに昨日、調べるとは言ったし、レファレンスサービスは司書の仕事として、基本中の基本。一番蔑ろにしてはいけない仕事だった。

 あまり関わり合いになりたくないけれど、要注意人物の可能性が高い。何を調べているのか分かっていた方が、後々役に立つかもしれないから、ここは……応じるのが得策だと思った。

「……それで、何を調べているんですか?」
「ある遺跡に描かれていた模様を調べているんです。どの時代のものか分かれば、深掘りができますから」

 なるほど。それで技術と工学の棚にいたのね。あそこには、建築関係の本も置いてあるから。

「先ほど、建築関係のところを見ていらっしゃいましたが、探し始めている段階ですか?」
「はい。そうですけど、それが何か?」
「もしも建築の方で見つからないようでしたら、歴史の方で探してみるようにオススメしようと思ったんです。遺跡となると、調べる方向性が二つありますから」
「……そうなると、生物の方も必要になるか」

 生物? どうしていきなり、そんな明後日の方向へ、と思っていると、青年の青い瞳がキラリと光ったような気がした。
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