召喚された司書の相談所〜偽装結婚ですが旦那様にひたすら尽くされています〜
周りに誰もいないことをいいことに、肩にかけたトートバッグの中を見ては、うふふっと満足気に笑う。明らかに不審者丸出しである。
「こんなの知り合いに見られたら、確実にアウトだわ」
それでもやめられないのだから、重症だ。さすがに自宅に近づいたらやめなければ、と思っていた瞬間、前に出した右足が沈むのを感じた。
「えっ?」
危機感を抱いだ時はすでに遅し。私を中心に地面が光出し、漫画やアニメなどでよく見る魔法陣の模様が突如、出現したのだ。
「ちょっと、待っ――……!」
最後の悪足掻きのように声を出すが、残念なことに寄り道をしたせいで、通勤通学の帰宅時間はとうに過ぎていた。助けてくれる者など、運よく通ることもなく。そうして私は誰にも気づかれず、光りに包まれて異世界に飛ばされてしまったのだ。
「ここ、どこ?」
気がつくと私は、公園のような場所にいた。硬いアスファルトの上にいたはずなのに、柔らかい草の上にいるのだから、嫌でもどこかに移動したことが分かった。
頭上を見上げると、燦々と照りつける太陽と透き通る青空に愕然とする。
確か夕方だったはず。寄り道をしたから、いつもよりも薄暗かった。だからこそ、あの光が眩かったのだ。
「こんなの知り合いに見られたら、確実にアウトだわ」
それでもやめられないのだから、重症だ。さすがに自宅に近づいたらやめなければ、と思っていた瞬間、前に出した右足が沈むのを感じた。
「えっ?」
危機感を抱いだ時はすでに遅し。私を中心に地面が光出し、漫画やアニメなどでよく見る魔法陣の模様が突如、出現したのだ。
「ちょっと、待っ――……!」
最後の悪足掻きのように声を出すが、残念なことに寄り道をしたせいで、通勤通学の帰宅時間はとうに過ぎていた。助けてくれる者など、運よく通ることもなく。そうして私は誰にも気づかれず、光りに包まれて異世界に飛ばされてしまったのだ。
「ここ、どこ?」
気がつくと私は、公園のような場所にいた。硬いアスファルトの上にいたはずなのに、柔らかい草の上にいるのだから、嫌でもどこかに移動したことが分かった。
頭上を見上げると、燦々と照りつける太陽と透き通る青空に愕然とする。
確か夕方だったはず。寄り道をしたから、いつもよりも薄暗かった。だからこそ、あの光が眩かったのだ。