幼馴染み皇子の強引すぎる婚約破棄と溺愛
扉が閉じられた瞬間、世界から音が消えたかのような静寂が広がった。

ユリウスの瞳は燃えるように熱を帯び、私はその視線に捕らわれて動けなくなる。

「セシリア……」

名を呼ぶ声は低く、甘い熱を含んでいた。

次の瞬間、強く抱き寄せられ、唇が重なる。長く、深く、息もできないほど情熱的な口づけ。

ユリウスの手がヴェールを外し、花嫁衣装を一つひとつ解いていく。

純白の布が床に滑り落ち、肌に触れる彼の手が火照りを生む。

「綺麗だ……俺だけの花嫁。」

その言葉と共に、私は恥ずかしさを超えて、彼の腕にすべてを委ねた。

ベッドに横たわると、覆いかぶさる体温が降り注ぐ。

何度も交わされる口づけ、途切れない囁き──「愛してる」「君だけだ」「永遠に一緒だ」。

そのたびに胸がいっぱいになり、涙が滲む。

「ユリウス……」

震える声で名を呼ぶと、彼は優しく微笑んだ。

「セシリア、夢じゃない。俺たちは本当に夫婦になったんだ。」

絡み合う体と体、果てない情熱の波に呑み込まれながら、私は確かに感じていた。

──愛されている、この人にすべてを捧げてもいいのだと。

夜は深く、更けてゆく。

果てしなく求め合い、愛を確かめ合いながら、私たちの新しい人生は始まった。

情熱と誓いに包まれた初夜は、永遠の愛の幕開けとなったのだった。


ー End -
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