甘く苦く君を思う
「あぁ。俺の可愛い娘だよ。沙夜が大切に守り、育ててきてくれたんだ。この子がいればなんでも頑張れる気がする」
「そうか」
「あの……。私、今まで正直なところ、どうして彼と別れさせられたのか納得もできないし、そもそも理不尽だと思ってました。仕事も周囲の人からの信頼も失いどん底まで落ちました。なぜ私がこんな目に、と思うと苦しくて悲しくてどうにもならなかった」
今日は言いたいことを腹を割って話そうと思いここにきた。もう我慢してばかりではだめだ。でも話始めると堰を切ったように次々と言葉が出てきた。もしこれで何か言われたとしたらそれまでのこと。また渚を連れてここを去ろうと心の底で思いながらここまでやってきた。
「あの時、彼が私になぜ高倉グループの跡取りだと言わなかったのだと思うか、と聞かれドキっとしました。彼が本当に高倉グループの跡取りなのだとしたらなぜだったんだろうと考えさせられました。彼にとって私はなんだったんだろう、と。だからご両親に言われたことはきっかけに過ぎなかったのかもしれません。確かに別れを迫られ、金銭を渡したり職場に噂を流すのはやり過ぎだと思います。でも、彼に隠されていた時点でどこかに歪みが生まれていたのかもしれなかったと思っています」
その言葉に昴さん自身も私の顔を見て驚いたような表情を浮かべていた。
「もちろん彼のことは大好きでした。本当に一緒にいたいと思っていました。それでも、あれほど一緒の時間を過ごしていたのに私にこんな大切なことを隠していたのは遅かれ早かれ私たちの間の歪みになっていたかもしれません。だからご両親だけが悪いわけじゃない」
私の言葉を彼も両親も何も言わずに聞いてくれていた。
「そうか」
「あの……。私、今まで正直なところ、どうして彼と別れさせられたのか納得もできないし、そもそも理不尽だと思ってました。仕事も周囲の人からの信頼も失いどん底まで落ちました。なぜ私がこんな目に、と思うと苦しくて悲しくてどうにもならなかった」
今日は言いたいことを腹を割って話そうと思いここにきた。もう我慢してばかりではだめだ。でも話始めると堰を切ったように次々と言葉が出てきた。もしこれで何か言われたとしたらそれまでのこと。また渚を連れてここを去ろうと心の底で思いながらここまでやってきた。
「あの時、彼が私になぜ高倉グループの跡取りだと言わなかったのだと思うか、と聞かれドキっとしました。彼が本当に高倉グループの跡取りなのだとしたらなぜだったんだろうと考えさせられました。彼にとって私はなんだったんだろう、と。だからご両親に言われたことはきっかけに過ぎなかったのかもしれません。確かに別れを迫られ、金銭を渡したり職場に噂を流すのはやり過ぎだと思います。でも、彼に隠されていた時点でどこかに歪みが生まれていたのかもしれなかったと思っています」
その言葉に昴さん自身も私の顔を見て驚いたような表情を浮かべていた。
「もちろん彼のことは大好きでした。本当に一緒にいたいと思っていました。それでも、あれほど一緒の時間を過ごしていたのに私にこんな大切なことを隠していたのは遅かれ早かれ私たちの間の歪みになっていたかもしれません。だからご両親だけが悪いわけじゃない」
私の言葉を彼も両親も何も言わずに聞いてくれていた。