甘く苦く君を思う
15分くらいでふたりがアパートに駆けつけてきてくれた。
足音が近づいてくるのを聞いて肩の力が抜け、ようやく少し安心した。
「沙夜ちゃん、荷物はこれね。どう、歩けそう?」
「起こしちゃってごめんなさい」
「そんなことはいいの。さ、車まで行けるかしら」
私は頷くと歩き出すが、車に乗るまでの間にも陣痛が襲ってくる。なんだかとても規則的で7分間隔になっていた。
ようやく車に辿りつくと病院まではあっという間だった。
陣痛室に案内されたが、思ったよりも進行しているようですぐに分娩室に移動になった。
「幸子さん、明日もお店があるしもう大丈夫だから。……うぅっ、痛い」
「そんなの心配しなくてもいいのよ」
優しいふたりには甘えてばかりだ。
結局朝方の出産までふたりは病院に付き添ってくれ、産声を聞いていた。
「おぉ!!! やったぞ」
そんな声が廊下から聞こえてきて、私の胸が熱くなった。
小さな我が子を助産師がそっと胸に抱かせてくれる。その柔らかくて温かい存在が愛おしくてたまらない。
「渚……」
あの日彼と一緒にみた海の景色を思い出しながら、そっと名前を呼んだ。
ふたりで見た波の音、砂浜で交わした笑顔、私の中のいい思い出をこの子に託そうと思った。
足音が近づいてくるのを聞いて肩の力が抜け、ようやく少し安心した。
「沙夜ちゃん、荷物はこれね。どう、歩けそう?」
「起こしちゃってごめんなさい」
「そんなことはいいの。さ、車まで行けるかしら」
私は頷くと歩き出すが、車に乗るまでの間にも陣痛が襲ってくる。なんだかとても規則的で7分間隔になっていた。
ようやく車に辿りつくと病院まではあっという間だった。
陣痛室に案内されたが、思ったよりも進行しているようですぐに分娩室に移動になった。
「幸子さん、明日もお店があるしもう大丈夫だから。……うぅっ、痛い」
「そんなの心配しなくてもいいのよ」
優しいふたりには甘えてばかりだ。
結局朝方の出産までふたりは病院に付き添ってくれ、産声を聞いていた。
「おぉ!!! やったぞ」
そんな声が廊下から聞こえてきて、私の胸が熱くなった。
小さな我が子を助産師がそっと胸に抱かせてくれる。その柔らかくて温かい存在が愛おしくてたまらない。
「渚……」
あの日彼と一緒にみた海の景色を思い出しながら、そっと名前を呼んだ。
ふたりで見た波の音、砂浜で交わした笑顔、私の中のいい思い出をこの子に託そうと思った。