甘く苦く君を思う
私たちの新居は今まで彼の住んでいたマンションでは子供がいると手狭だといい、新しい新築分譲マンションを購入した。
彼が住んでいたマンションも今の私たちのアパートに比べたら比較にならないほどの広さなのに、とは思うが彼に心機一転新しい場所から始めたいと言われ了承した。
高層マンションではなく低層マンションで、コンシェルジュがいて、ジムが付いていたり、託児や清掃、買い物などのサービスが受けレれるいたせり尽せりの要望を彼が出すので驚いた。そんなサービスはどれひとつとってもいらないと思うが、彼は自分が出張でいない時が心配だからと譲らない。
そんなマンションなんて都合よく見つからないだろうと思っているとあっさり彼は見つけてきてしまった。
日当たりもよく、公園も目の前にある。低層マンションの最上階で4階だが、中はメゾネットタイプで吹き抜けの階段を上がると部屋がさらに3部屋もあった。下は広々としたリビングもあり全部で5LDKのようだ。シューズクロークやパントリーと行った収納も充実しているし、洗面ボールもふたつ並んでおり同時に使えるようになっていた。
見るもの全てが別世界のように感じる。
「どう? 沙夜は気にいる?」
「気にいるも何も凄すぎて言葉にできない。人が住む場所なの?」
「もちろん。広々しているから渚が多少走り回っても大丈夫だし、下の階への防音も完璧だ。キッチンの使い勝手とかもコーディネーターが入っているから動線も考えられているし、何より駅に近いのに緑が多いのが俺は気に入ってる」
はぁ……、となんだか呆気に取られ空返事をしてしまうと彼は気に入らなかったと思ったようだ。
「沙夜の意見をもっと聞くべきだったな。すまない。もう一度探しなおそうか」
「え、あ……。違うのに圧倒されていただけなの。気に入らないわけじゃない。でもここに住むのが恐れ多いというか」
彼との生活レベルの差を見せられ驚きしかない。
でもこのマンションを見て渚はすぐに走り出した。
「ままー、すごーくひろいね。なぎさ、プリンセスみたい」
最近見た絵本に出てくるお城のイメージなのだろう。その意見に私も一票投じたい。
「渚ちゃんはここに住む?」
「うん! おじちゃんもすむ?」
「あぁ。一緒に住んでいいか?」
「いいよー。じゃ、ぱぱだね」
ふと口にした渚の言葉にふたりで固まってしまった。渚にはなんて説明をしたらいいのか分からず、そのままの関係が続いていた。説明してわかる年でもないが、それでも彼がパパだと話して混乱するのではないかと不安だった。でも私たちの心配をよそに渚は自分なりの解釈で彼をパパだと決めたようだ。
「ぱぱー」
渚に呼ばれ、彼は目を赤くしていた。渚に手を差し出すとその手を自然と取る姿に私まで喉の奥が熱くなる。
昴さんは渚を抱きしめると顔を埋めていた。私は近づくと彼と渚にそっと寄り添った。
彼が住んでいたマンションも今の私たちのアパートに比べたら比較にならないほどの広さなのに、とは思うが彼に心機一転新しい場所から始めたいと言われ了承した。
高層マンションではなく低層マンションで、コンシェルジュがいて、ジムが付いていたり、託児や清掃、買い物などのサービスが受けレれるいたせり尽せりの要望を彼が出すので驚いた。そんなサービスはどれひとつとってもいらないと思うが、彼は自分が出張でいない時が心配だからと譲らない。
そんなマンションなんて都合よく見つからないだろうと思っているとあっさり彼は見つけてきてしまった。
日当たりもよく、公園も目の前にある。低層マンションの最上階で4階だが、中はメゾネットタイプで吹き抜けの階段を上がると部屋がさらに3部屋もあった。下は広々としたリビングもあり全部で5LDKのようだ。シューズクロークやパントリーと行った収納も充実しているし、洗面ボールもふたつ並んでおり同時に使えるようになっていた。
見るもの全てが別世界のように感じる。
「どう? 沙夜は気にいる?」
「気にいるも何も凄すぎて言葉にできない。人が住む場所なの?」
「もちろん。広々しているから渚が多少走り回っても大丈夫だし、下の階への防音も完璧だ。キッチンの使い勝手とかもコーディネーターが入っているから動線も考えられているし、何より駅に近いのに緑が多いのが俺は気に入ってる」
はぁ……、となんだか呆気に取られ空返事をしてしまうと彼は気に入らなかったと思ったようだ。
「沙夜の意見をもっと聞くべきだったな。すまない。もう一度探しなおそうか」
「え、あ……。違うのに圧倒されていただけなの。気に入らないわけじゃない。でもここに住むのが恐れ多いというか」
彼との生活レベルの差を見せられ驚きしかない。
でもこのマンションを見て渚はすぐに走り出した。
「ままー、すごーくひろいね。なぎさ、プリンセスみたい」
最近見た絵本に出てくるお城のイメージなのだろう。その意見に私も一票投じたい。
「渚ちゃんはここに住む?」
「うん! おじちゃんもすむ?」
「あぁ。一緒に住んでいいか?」
「いいよー。じゃ、ぱぱだね」
ふと口にした渚の言葉にふたりで固まってしまった。渚にはなんて説明をしたらいいのか分からず、そのままの関係が続いていた。説明してわかる年でもないが、それでも彼がパパだと話して混乱するのではないかと不安だった。でも私たちの心配をよそに渚は自分なりの解釈で彼をパパだと決めたようだ。
「ぱぱー」
渚に呼ばれ、彼は目を赤くしていた。渚に手を差し出すとその手を自然と取る姿に私まで喉の奥が熱くなる。
昴さんは渚を抱きしめると顔を埋めていた。私は近づくと彼と渚にそっと寄り添った。