残念令嬢、今世は魔法師になる

22、前世の私とふたたび対面

　私は両親にカイラの病状について説明し、彼女の家に支援をお願いした。
　そのためにアンデル家の財政難のことも伝えて、カイラが治療を受けることが困難であることも説明した。
　両親は少し困惑したが、アンデル侯爵が受け入れると言ったことを伝えると、ふたりは静かにうなずいた。

「私たちが出しゃばってアンデル侯爵の機嫌を損なうことになったらと心配だったが、彼が善意を受け入れるというならそうしよう。ミレアの大切な友だちを助けるためだからね」

　父は穏やかな表情でそう言ってくれた。

「私たちは侯爵から見返りを受けとらないわ。ひとりの令嬢の未来のために、あくまで善意で動くだけよ」

　母は微笑んでそう言った。
　あの侯爵がお礼なんて絶対にしないだろうけれど、そのこともわかっていて両親は支援をしてくれるというのだ。

「ありがとう、お父様、お母様」

　こうしてエヴァン伯爵家の支援のもと、ノエインに医師の手配を頼むことになった。

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