呪われし復讐の王女は末永く幸せに闇堕ちします~毒花の王女は翳りに咲く~
確かに髪色や鱗の色が違えど、言われてみればヴァネッサ女王と優しげな顔立ちはよく似ているだろう
あまりにもじっと見過ぎたからだろうか。マルテと呼ばれる初老の女性はその視線にすぐに気づいたようで、にこやかな面でベルティーナを見る。
「あらあらぁ。ものすごい美人さんを連れて。そちらが人間の王女様かしら?」
「ああ、俺の婚約者の」
──ベルティーナだ、とミランが告げきる前だった。
「ミラン兄ぃちゃんだー!」
「わーい! お菓子の匂いがするー!」
途端に響き渡るのは、複数の子どもの声と同時に家の中からどたどたと複数の足音が聞こえてきた。
それから一拍も経たぬうち、まだ十歳にも満たない子どもたちの群れが、ミランの名を叫び、わらわらと押し寄せてきた。
あまりにもじっと見過ぎたからだろうか。マルテと呼ばれる初老の女性はその視線にすぐに気づいたようで、にこやかな面でベルティーナを見る。
「あらあらぁ。ものすごい美人さんを連れて。そちらが人間の王女様かしら?」
「ああ、俺の婚約者の」
──ベルティーナだ、とミランが告げきる前だった。
「ミラン兄ぃちゃんだー!」
「わーい! お菓子の匂いがするー!」
途端に響き渡るのは、複数の子どもの声と同時に家の中からどたどたと複数の足音が聞こえてきた。
それから一拍も経たぬうち、まだ十歳にも満たない子どもたちの群れが、ミランの名を叫び、わらわらと押し寄せてきた。