呪われし復讐の王女は末永く幸せに闇堕ちします~毒花の王女は翳りに咲く~
「そうだな。王城は基本的に現在の王の直系に当たる血縁者しか住んでいない。叔母は、王族ではなく一般民だ。だけど、俺の母親の手伝いで、ああして身寄りのなくなった子どもたちを引き取っている」
「身寄りのない子……」
ベルティーナは彼の言葉を復唱し、眉を寄せた。確かに種族はバラバラだっただろう。見るからに彼女の子どもや孫ではないとは思った。
なお、彼の叔母と知った時点で、城の使用人の子どもたちという憶測もよぎったものだが、見当違いだった。
「王城周辺を見る限り、一見穏やかそうに見えるナハトベルグだけどな……。実は、森林地帯で前触れもなく自然発火で山火事が発生したり、大きな地震が起きたり、つむじ風が吹き荒れて家屋が倒壊したり……なんて、色んな天災に見舞われることがあるんだ」
──今ではその頻度もかなり少なくなったものの、それでも時折、森林火災やつむじ風等の天災は割と起きる、とそんな言葉を添えて、ミランは言葉を続けた。
「つまり、叔母のマルテさんは、そういった災害に見舞われた地域の親を亡くした子どもたちを保護して育てているんだ」
「そう……だったのね」
天災の件も初めて聞いたことだった。だが、〝王都は治安が良い〟と双子の猫侍女たちが言う本当の意味を、ベルティーナは改めて理解した。
それは人ではなく、災害的な意味なのだと……。
「それで、王の直系血縁者しか王城にいない理由だっけ。王を決める方法が、多分人間とはまったく違うっていう部分もあるだろうな……」
ミランはベルティーナの質問を掘り起こして静かに切り出した。
「多分ここは人間と同じだろうが、直系は王位継承権が当たり前みたいにある。だけど、次期王は即位式までの一年ほどは決闘の繁忙期なもんでな……」
「……え? どういうことなの」
ミランの言葉がいまいち理解できず、ベルティーナは眉を寄せた。
「簡単に言えば、ナハトベルグの王に就く権利は割と誰にでもあるってことだ。次期王に決闘を申し込んで、それに勝てば誰だろうが王位継承権を剥奪できる。そして最後、即位の儀で次期王は現在の王と戦うこととなる」
──まず直系の次期王が負ければ、王城追放が決まってる時点でかなり手厳しいけどそういう掟、と彼は苦笑いを浮かべた。
「身寄りのない子……」
ベルティーナは彼の言葉を復唱し、眉を寄せた。確かに種族はバラバラだっただろう。見るからに彼女の子どもや孫ではないとは思った。
なお、彼の叔母と知った時点で、城の使用人の子どもたちという憶測もよぎったものだが、見当違いだった。
「王城周辺を見る限り、一見穏やかそうに見えるナハトベルグだけどな……。実は、森林地帯で前触れもなく自然発火で山火事が発生したり、大きな地震が起きたり、つむじ風が吹き荒れて家屋が倒壊したり……なんて、色んな天災に見舞われることがあるんだ」
──今ではその頻度もかなり少なくなったものの、それでも時折、森林火災やつむじ風等の天災は割と起きる、とそんな言葉を添えて、ミランは言葉を続けた。
「つまり、叔母のマルテさんは、そういった災害に見舞われた地域の親を亡くした子どもたちを保護して育てているんだ」
「そう……だったのね」
天災の件も初めて聞いたことだった。だが、〝王都は治安が良い〟と双子の猫侍女たちが言う本当の意味を、ベルティーナは改めて理解した。
それは人ではなく、災害的な意味なのだと……。
「それで、王の直系血縁者しか王城にいない理由だっけ。王を決める方法が、多分人間とはまったく違うっていう部分もあるだろうな……」
ミランはベルティーナの質問を掘り起こして静かに切り出した。
「多分ここは人間と同じだろうが、直系は王位継承権が当たり前みたいにある。だけど、次期王は即位式までの一年ほどは決闘の繁忙期なもんでな……」
「……え? どういうことなの」
ミランの言葉がいまいち理解できず、ベルティーナは眉を寄せた。
「簡単に言えば、ナハトベルグの王に就く権利は割と誰にでもあるってことだ。次期王に決闘を申し込んで、それに勝てば誰だろうが王位継承権を剥奪できる。そして最後、即位の儀で次期王は現在の王と戦うこととなる」
──まず直系の次期王が負ければ、王城追放が決まってる時点でかなり手厳しいけどそういう掟、と彼は苦笑いを浮かべた。