呪われし復讐の王女は末永く幸せに闇堕ちします~毒花の王女は翳りに咲く~
月明かりに照らされて映るのは、果てしなく遠くまで繋がる巨大な水たまりだ。風に乗って、涙にも似た塩辛い匂いが仄かに漂う。
「……これは、海?」
ベルティーナは目を瞠ったまま、その圧巻の景色を望んだ。
「ああ……もしかして、じゃなくても……ベルは海を見るのは初めてか?」
戸惑うようにミランに聞かれ、ベルティーナはすぐに頷いた。
「ええ、本の中では知っているわ。途方もなく大きな塩辛い水たまりだって。でも、翳りの国……ナハトベルグにあるなんて」
呆然としたまま、ベルティーナがそんな言葉を出すと、隣に立つミランはくすくすと笑い声をこぼした。
「何がおかしくて? 初めて見たのよ?」
──その程度の知識しかなくて当然じゃない、と付け加えて睨んでやると、ミランは笑いながらも否定した。
「何だろうな? ベルって、たまに言葉の選び方が可愛いなと思っただけ。これじゃあ、色んな場所を見せてやりたくもなる。浜に降りて間近で見よう」
──おいで、と甘やかに言い添えて。
一歩先に進んだミランはベルティーナに手を差し出した。
「……これは、海?」
ベルティーナは目を瞠ったまま、その圧巻の景色を望んだ。
「ああ……もしかして、じゃなくても……ベルは海を見るのは初めてか?」
戸惑うようにミランに聞かれ、ベルティーナはすぐに頷いた。
「ええ、本の中では知っているわ。途方もなく大きな塩辛い水たまりだって。でも、翳りの国……ナハトベルグにあるなんて」
呆然としたまま、ベルティーナがそんな言葉を出すと、隣に立つミランはくすくすと笑い声をこぼした。
「何がおかしくて? 初めて見たのよ?」
──その程度の知識しかなくて当然じゃない、と付け加えて睨んでやると、ミランは笑いながらも否定した。
「何だろうな? ベルって、たまに言葉の選び方が可愛いなと思っただけ。これじゃあ、色んな場所を見せてやりたくもなる。浜に降りて間近で見よう」
──おいで、と甘やかに言い添えて。
一歩先に進んだミランはベルティーナに手を差し出した。