呪われし復讐の王女は末永く幸せに闇堕ちします~毒花の王女は翳りに咲く~
ぜいぜいと息を切らして立ち止まったベルティーナは、壁にもたれかかって額を覆った。
すると、子どもたちはぴたりと止まって、心配そうな面持ちに変わり、ベルティーナに近づいてきた。
「え、大丈夫……? お姫様」
「ちょっとー、あんたが無理させるからお姫様がバテちゃったじゃない!」
心配そうに声を掛ける猫耳の少年に対し、角の生えた少女は彼の頬をつねって怒った。
「あいてて……つねることないじゃん! あ……ねぇ、お姫様本当に大丈夫?」
「……少し胸が苦しいわ。私、心臓が弱いのよ」
「え、え……どうしよう。ごめんなさい。からかったして」
そう言って、少年がベルティーナに近づいたそのときだった。ベルティーナは彼をぎゅっと抱き寄せ、にたりと唇に笑みを乗せた。
「馬鹿ね……そんなわけないじゃない。はい、捕まえたわ」
「あ! 嘘ついたー、ズルい!」
──嘘つき! なんて、腕の中の少年はじたばたと暴れてぶーぶーと文句を言うが、ベルティーナはそれでも容赦なくさらに腕の力を強めた。
「ズルい? いいえ。私は頭を使っただけよ? さあ、みんな、お遊びはこれで終わり。さっさと部屋に戻りなさい」
少しばかり厳しい顔をして一人一人の顔を見て言うと、皆、素直に頷いた。
そうして子どもたちを当てられた部屋まで送り届けていた最中のことだった。リネンをたっぷりと両手に持ったハンナに遭遇したのである。
「ちょっと、すごい量ね……」
「ええ。ちょうど取り替えを全部してきたので。これは全部洗濯するもので……」
「持ちましょうか? 転んで怪我人でも増えたら私の気が持たないわ」
呆れた調子でベルティーナが彼女の腕の中のリネンを奪おうとすると、ハンナはひょいとそれを避けて、少しばかり悪戯っぽく笑った。
「……まったく、貴女まで私をからかうというの?」
──子どもじゃあるまいし、なんて舌打ちを一つ入れて付け加えると、彼女はくすくすと笑みをこぼした。
「いえいえ。主に自分の仕事を奪われるのは腑に落ちないだけですよ。畑仕事もして手当に回って……挙げ句の果てには子どもの面倒まで見て。どう考えてもベルティーナ様は、あれから働きすぎですし。私がこの洗濯を置いたら、すぐに部屋に戻って休んで欲しいくらいですもの」
少しばかり心配そうに言われてしまい、ベルティーナは素直に頷いた。
すると、子どもたちはぴたりと止まって、心配そうな面持ちに変わり、ベルティーナに近づいてきた。
「え、大丈夫……? お姫様」
「ちょっとー、あんたが無理させるからお姫様がバテちゃったじゃない!」
心配そうに声を掛ける猫耳の少年に対し、角の生えた少女は彼の頬をつねって怒った。
「あいてて……つねることないじゃん! あ……ねぇ、お姫様本当に大丈夫?」
「……少し胸が苦しいわ。私、心臓が弱いのよ」
「え、え……どうしよう。ごめんなさい。からかったして」
そう言って、少年がベルティーナに近づいたそのときだった。ベルティーナは彼をぎゅっと抱き寄せ、にたりと唇に笑みを乗せた。
「馬鹿ね……そんなわけないじゃない。はい、捕まえたわ」
「あ! 嘘ついたー、ズルい!」
──嘘つき! なんて、腕の中の少年はじたばたと暴れてぶーぶーと文句を言うが、ベルティーナはそれでも容赦なくさらに腕の力を強めた。
「ズルい? いいえ。私は頭を使っただけよ? さあ、みんな、お遊びはこれで終わり。さっさと部屋に戻りなさい」
少しばかり厳しい顔をして一人一人の顔を見て言うと、皆、素直に頷いた。
そうして子どもたちを当てられた部屋まで送り届けていた最中のことだった。リネンをたっぷりと両手に持ったハンナに遭遇したのである。
「ちょっと、すごい量ね……」
「ええ。ちょうど取り替えを全部してきたので。これは全部洗濯するもので……」
「持ちましょうか? 転んで怪我人でも増えたら私の気が持たないわ」
呆れた調子でベルティーナが彼女の腕の中のリネンを奪おうとすると、ハンナはひょいとそれを避けて、少しばかり悪戯っぽく笑った。
「……まったく、貴女まで私をからかうというの?」
──子どもじゃあるまいし、なんて舌打ちを一つ入れて付け加えると、彼女はくすくすと笑みをこぼした。
「いえいえ。主に自分の仕事を奪われるのは腑に落ちないだけですよ。畑仕事もして手当に回って……挙げ句の果てには子どもの面倒まで見て。どう考えてもベルティーナ様は、あれから働きすぎですし。私がこの洗濯を置いたら、すぐに部屋に戻って休んで欲しいくらいですもの」
少しばかり心配そうに言われてしまい、ベルティーナは素直に頷いた。