呪われし復讐の王女は末永く幸せに闇堕ちします~毒花の王女は翳りに咲く~
確かに、起きてから今の今まで動きっぱなしだった。ちょうどサロンを歩んでいると、壁掛け時計が目に映り、針を見ればもうあと二時間もすれば空が白み出す頃だと悟った。
「しかし……ベルティーナ様って子どもたちに大人気ですね」
──傷を早く治せるから、ものすごい能力を持っているんだ!
なんて、言われてましたよ、なんてハンナが続けざまに笑いながら言うものだから、ベルティーナは呆れて破顔した。
「きっと、私が人間で物珍しいだけよ?」
きっぱりと言えば、ハンナはすぐに首を振るう。
「いいえ、多分……これは人間云々以前のことだと思いますけど」
「……と、言うと?」
ベルティーナが眉をひそめて訊くと、ハンナは「怒らないでくださいね」なんて前置きを入れた。
「そうですねぇ……とても活発な〝元〟悪戯っ子の視点で言うと、ベルティーナ様って弄りがいがものすごくありますからね」
「確かに貴女ってそんな感じがするわね。とてもお転婆そう。でも私に弄る要素なんてどこにあって?」
さっぱりとした口調でベルティーナが訊くと、ハンナは唸って熟考した。
「……何でしょう。ベルティーナ様って短気で、すぐに挑発に乗りそうじゃないですか? それに頭が良くて、いかにも真面目そう。だから笑顔が見てみたくなっちゃうもんですよ」
ハンナの答えに、ベルティーナはたちまち唇をへの字に曲げた。
まあ……確かに心当たりは大いにあるだろう。それに、真面目と言えば真面目だろうか。なるほど、と納得しつつあるが、ベルティーナは目を細めてハンナを見据えた。
「でも、笑顔が見たいからって、それってまったく逆効果じゃないかしらね?」
「そりゃ相手は子どもですし。だからこそ幼稚な手段しか浮かばないんですよ。それと、からかうのって好きだからこそやるんですよ? 特に男の子ってそういうもんですから」
「好きだから……」
ベルティーナは目を細めたまま復唱した。
「あら。ベルティーナ様、お気づきじゃないですか? 重傷だったあの猫耳の男の子。ベルティーナ様にべったりじゃないですか。もう好きで好きで仕方ないから気を引きたい~って、どう見ても目に見えて分かるじゃないですか」
──あれは確実に女として惚れ込んでますよ。
なんてハンナがふざけて言うものだから、ベルティーナはさらに唇を曲げる。
「しかし……ベルティーナ様って子どもたちに大人気ですね」
──傷を早く治せるから、ものすごい能力を持っているんだ!
なんて、言われてましたよ、なんてハンナが続けざまに笑いながら言うものだから、ベルティーナは呆れて破顔した。
「きっと、私が人間で物珍しいだけよ?」
きっぱりと言えば、ハンナはすぐに首を振るう。
「いいえ、多分……これは人間云々以前のことだと思いますけど」
「……と、言うと?」
ベルティーナが眉をひそめて訊くと、ハンナは「怒らないでくださいね」なんて前置きを入れた。
「そうですねぇ……とても活発な〝元〟悪戯っ子の視点で言うと、ベルティーナ様って弄りがいがものすごくありますからね」
「確かに貴女ってそんな感じがするわね。とてもお転婆そう。でも私に弄る要素なんてどこにあって?」
さっぱりとした口調でベルティーナが訊くと、ハンナは唸って熟考した。
「……何でしょう。ベルティーナ様って短気で、すぐに挑発に乗りそうじゃないですか? それに頭が良くて、いかにも真面目そう。だから笑顔が見てみたくなっちゃうもんですよ」
ハンナの答えに、ベルティーナはたちまち唇をへの字に曲げた。
まあ……確かに心当たりは大いにあるだろう。それに、真面目と言えば真面目だろうか。なるほど、と納得しつつあるが、ベルティーナは目を細めてハンナを見据えた。
「でも、笑顔が見たいからって、それってまったく逆効果じゃないかしらね?」
「そりゃ相手は子どもですし。だからこそ幼稚な手段しか浮かばないんですよ。それと、からかうのって好きだからこそやるんですよ? 特に男の子ってそういうもんですから」
「好きだから……」
ベルティーナは目を細めたまま復唱した。
「あら。ベルティーナ様、お気づきじゃないですか? 重傷だったあの猫耳の男の子。ベルティーナ様にべったりじゃないですか。もう好きで好きで仕方ないから気を引きたい~って、どう見ても目に見えて分かるじゃないですか」
──あれは確実に女として惚れ込んでますよ。
なんてハンナがふざけて言うものだから、ベルティーナはさらに唇を曲げる。