呪われし復讐の王女は末永く幸せに闇堕ちします~毒花の王女は翳りに咲く~
 己の腕の中で眠りに落ちた彼女の顔は、どこかまだ幼い。静かな寝息を立て、どこか安心したような、幸せそうな寝顔だった。

 だが、ミランの心には重い決意が宿っていた。この愛しい王女と本当の夫婦になるため、 彼女を心から幸せにするため──彼は己の母親に打ち勝たねばならない。その責任を果たすためにも、今、彼女を求めたのだ。

(ベルに本当のことを知られたら、きっと怒るよな……)

 それでも、今はこの蜜月の予行に溺れていたかった。
 いや、純潔を奪い、身籠もってもおかしくないほど深く繋がった今、これはもう蜜月そのものだ。ミランは取り返しのつかない責任を負ったことを確かに感じていた。

 そしてそれは、同時に「永遠にそばにいる」という揺るぎない誓いでもあった。

「俺だけのお姫様。必ず幸せにするよ……」

 静かに誓いを立て、ミランは眠るベルティーナの唇にそっと口づけを落とした。

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