呪われし復讐の王女は末永く幸せに闇堕ちします~毒花の王女は翳りに咲く~
「そうじゃないわよ。その……私が負わせた傷、結構痛かったでしょう? 怪我の処置、後でちゃんとしないと。私の背中から生えてる蔦、神経毒があるみたいだし……」
心配になって訊くと、ミランは「いいや」なんて欠伸交じりに言う。
そうして、ベルティーナを抱き直し、髪を優しい手つきで撫で始めた。
「平気。だから、ベルは大袈裟なんだよ。……だけど、そうやって治療に駆け回ってくれたおかげであの火災では死傷者が出なかった。お前に守られた部分もある。だから、本当にベルがいてくれて助かった。ありがと」
穏やかにミランに礼を言われて、ベルティーナは胸の内が仄かに温かくなったことを自覚した。
しかし、以前のような焼けるような熱さはない。それはもう心地よいほどに温かなもので、ベルティーナは心から幸せに思い、気づけば眦に涙が滲んできた。
それは、やがて水流となり、嗚咽がこぼれ始めるとミランはベルティーナの背を優しく摩る。
「本当は案外泣き虫なんだな。俺のお姫様は……」
「そんな、わけ……ないじゃない。だけどなんだろう。幸せで、嬉しくて、寂しくなくて。私、本当にこんなに幸せでいいのかしらって……思って」
嗚咽が絡み、上手く言葉にも出せない。それでも、嬉しいと何度も言葉に出すと、ミランは少し困ったように笑んで、ベルティーナの頬に流れる涙をぺろりと舐めた。
「これからたくさん幸せにしてやる。俺は必ず母親に勝って王位を継承する。子どももできれば家族だって増える。賑やかな城にしよう。それと、ベル……」
真面目な口調で愛称を呼ばれ、ベルティーナは涙を拭って彼を見上げた。
「何があろうが、お前の居場所は翳りの国ナハトベルグだ。俺の隣だってことを絶対に忘れないでくれ。絶対に、絶対に……この約束だけは俺、破らないから」
──誰よりも愛してる。
と甘やかに付け添えて、ミランはベルティーナの唇に触れるだけの口づけを落とした。
「ミラン。私も、貴方を愛してるわ」
──愛してくれてありがとう。私を認めてくれてありがとう。
囁くように告げたベルティーナの声は闇の中へと溶けて消えた。
***
彼からの罰──見張り塔の監禁生活はもう何日目になるのだろうか。
心配になって訊くと、ミランは「いいや」なんて欠伸交じりに言う。
そうして、ベルティーナを抱き直し、髪を優しい手つきで撫で始めた。
「平気。だから、ベルは大袈裟なんだよ。……だけど、そうやって治療に駆け回ってくれたおかげであの火災では死傷者が出なかった。お前に守られた部分もある。だから、本当にベルがいてくれて助かった。ありがと」
穏やかにミランに礼を言われて、ベルティーナは胸の内が仄かに温かくなったことを自覚した。
しかし、以前のような焼けるような熱さはない。それはもう心地よいほどに温かなもので、ベルティーナは心から幸せに思い、気づけば眦に涙が滲んできた。
それは、やがて水流となり、嗚咽がこぼれ始めるとミランはベルティーナの背を優しく摩る。
「本当は案外泣き虫なんだな。俺のお姫様は……」
「そんな、わけ……ないじゃない。だけどなんだろう。幸せで、嬉しくて、寂しくなくて。私、本当にこんなに幸せでいいのかしらって……思って」
嗚咽が絡み、上手く言葉にも出せない。それでも、嬉しいと何度も言葉に出すと、ミランは少し困ったように笑んで、ベルティーナの頬に流れる涙をぺろりと舐めた。
「これからたくさん幸せにしてやる。俺は必ず母親に勝って王位を継承する。子どももできれば家族だって増える。賑やかな城にしよう。それと、ベル……」
真面目な口調で愛称を呼ばれ、ベルティーナは涙を拭って彼を見上げた。
「何があろうが、お前の居場所は翳りの国ナハトベルグだ。俺の隣だってことを絶対に忘れないでくれ。絶対に、絶対に……この約束だけは俺、破らないから」
──誰よりも愛してる。
と甘やかに付け添えて、ミランはベルティーナの唇に触れるだけの口づけを落とした。
「ミラン。私も、貴方を愛してるわ」
──愛してくれてありがとう。私を認めてくれてありがとう。
囁くように告げたベルティーナの声は闇の中へと溶けて消えた。
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彼からの罰──見張り塔の監禁生活はもう何日目になるのだろうか。