呪われし復讐の王女は末永く幸せに闇堕ちします~毒花の王女は翳りに咲く~
 離れだってこの華美な有様だ。きっと城の内部なんて、反吐が出るほどに煌びやかだろうと想像も容易い。それを思うほどに、腹の中に憎悪が渦巻き、ベルティーナは苛立ち舌打ちをした。

「貴女、腹は括っていたのね。でも、命なんてかける必要はないと思うわ? 私は自分のことは自分でできる。いくら王女と侍女だろうがね……会って間もない年下の小娘のために命を捧げるなんて愚かよ。それと、腹を括ってるくせに、いちいち泣くのは止めた方がいいと思うわ」

 ──正直、鬱陶しくて仕方ない。
 ベルティーナがそう言い放つと、彼女はきょとんとした顔をした後、わずかに唇を綻ばせた。

「ありがとうございます、ベルティーナ様」

 礼を言われるようなことなど言っていないだろう。むしろ迷惑そうに思ったままを言ったというのに、どういうことだ。
 怪訝に眉をひそめてハンナを射貫けば、彼女は、どこかスッキリした面で礼儀正しく一礼し、部屋から退出した。


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