呪われし復讐の王女は末永く幸せに闇堕ちします~毒花の王女は翳りに咲く~
第16話 縛られた王女と卑しい笑み
「女王様から聞きましたけど……ベル様の呪いは、元から呪いを持たないハンナと少し違うみたいで、進行が穏やかみたいです。ただ、〝足りない何か〟が満たされて幸せと思えるほど進むみたいです。つまり、それだけベル様が今幸せならイーリスは本当に嬉しいです。だけどベル様、無理だけはダメですよ?」
「ですです。ロートスもベル様が嬉しいと何だか嬉しいです。だけど無理は厳禁ですっ! シュネーバル、ハンナの分も買うだけ買って、早くお城に帰りましょう!」
稚い双子に言われるからこそ、ベルティーナは少しばかり恥ずかしくなってしまった。それも二人して、自分の腕を引っ張って言うものだから。
しかし、胸の紋様が熱くなったのは、ほんの一瞬だけ。その後と言えば、別に苦しさなどまったくなく、異常もない。ベルティーナが「大丈夫」と毅然とした口調で返すと、二人はまた愛らしい笑顔を浮かべた。
「じゃあ、シュネーバルだけ買ったらお城に帰りましょう!」
そう言ってロートスが前も見ずに一歩進んだ途端だった……。
「きゃん!」
前も見ずに歩んだロートスは、街を行く歩行者にぶつかってしまった。
当たった者は、イノシシのような強靭な牙を生やした大男だった。
男はもっさりとした髭を蓄えており、少し離れていても酒臭いもので、その周りには柄の悪そうな男たちの姿がある。
「わわ……ごめんなさい。ロートスがしっかり前を見なかったばかりに」
ロートスがぺこりと頭を垂れて謝るが、イノシシ牙の男はにたりと厭らしい笑みを浮かべて彼女を見下ろす。
「おー、痛てぇ痛てぇ、勢いよくぶつかったものだから肋骨が折れたかもしれねぇな」
(どう見たって、少しぶつかっただけよね。それもこんなに屈強そうな見た目で。そんなわけないじゃない……)
そう思いつつベルティーナが目を細めると、男たちは寄ってたかってベルティーナたちを囲った。
「あーあー、親方を怒らせちまった。さぁ、どう落とし前をつけてくれるのか?」
酒臭い息を吐き出し、男たちはじりじりとベルティーナたちに詰め寄ってくる。
「あの、本当にごめんなさい……」
今にも泣きそうになって、ロートスが詫びるが、イノシシ牙の男は顔を険しいものに変えて、ぎろりと彼女を睨み据えた。
「ひっ……ごめんなさ」
「ですです。ロートスもベル様が嬉しいと何だか嬉しいです。だけど無理は厳禁ですっ! シュネーバル、ハンナの分も買うだけ買って、早くお城に帰りましょう!」
稚い双子に言われるからこそ、ベルティーナは少しばかり恥ずかしくなってしまった。それも二人して、自分の腕を引っ張って言うものだから。
しかし、胸の紋様が熱くなったのは、ほんの一瞬だけ。その後と言えば、別に苦しさなどまったくなく、異常もない。ベルティーナが「大丈夫」と毅然とした口調で返すと、二人はまた愛らしい笑顔を浮かべた。
「じゃあ、シュネーバルだけ買ったらお城に帰りましょう!」
そう言ってロートスが前も見ずに一歩進んだ途端だった……。
「きゃん!」
前も見ずに歩んだロートスは、街を行く歩行者にぶつかってしまった。
当たった者は、イノシシのような強靭な牙を生やした大男だった。
男はもっさりとした髭を蓄えており、少し離れていても酒臭いもので、その周りには柄の悪そうな男たちの姿がある。
「わわ……ごめんなさい。ロートスがしっかり前を見なかったばかりに」
ロートスがぺこりと頭を垂れて謝るが、イノシシ牙の男はにたりと厭らしい笑みを浮かべて彼女を見下ろす。
「おー、痛てぇ痛てぇ、勢いよくぶつかったものだから肋骨が折れたかもしれねぇな」
(どう見たって、少しぶつかっただけよね。それもこんなに屈強そうな見た目で。そんなわけないじゃない……)
そう思いつつベルティーナが目を細めると、男たちは寄ってたかってベルティーナたちを囲った。
「あーあー、親方を怒らせちまった。さぁ、どう落とし前をつけてくれるのか?」
酒臭い息を吐き出し、男たちはじりじりとベルティーナたちに詰め寄ってくる。
「あの、本当にごめんなさい……」
今にも泣きそうになって、ロートスが詫びるが、イノシシ牙の男は顔を険しいものに変えて、ぎろりと彼女を睨み据えた。
「ひっ……ごめんなさ」