呪われし復讐の王女は末永く幸せに闇堕ちします~毒花の王女は翳りに咲く~
そこは家畜特有の獣の匂いと酒の匂い……と、鼻が曲がるほどの異臭が立ちこめる劣悪な場所。自分を臭いだとなんだと言っておいて、こちらの方が最悪である。
ベルティーナは一つ舌打ちをして、納屋につくなり麦酒で酒盛りをし始めた男たちを睨みつけた。
「ごめんなさい、ベル様……」
原因を作ってしまったロートスはさめざめと泣き、その隣でイーリスも俯いて、肩を震わせていた。
「別に貴女たちは何も悪くないわ。淑女に対する扱いがなっていない傲慢な男が悪いのよ。いったい何が望みか分からないけれど……」
〝雌はよりどりみどり〟と言った時点で、浅ましいことを考えているのだろうと分かる。ほぼ成人の自分はともかく、こんな幼い少女たちをそんな対象に……。
そう思うと、烈しい嫌悪と憎悪が沸き立つ。ベルティーナは汚物でも見るような視線で酒盛りをしている男たちを睨み据えた。
……しかし、どうにか逃げることができないか。 せめてこの二人だけでも。
そうは思うが、後ろ手に拘束された縄はぴくりとも動かない。
ばつが悪そうにベルティーナが一つ舌打ちをした途端だった。イノシシ牙の男が、ぎろりとベルティーナの方を見据え、麦酒を置いて立ち上がった。
「は~ここまで来て、まだそんな顔をしていられる。人間様は脆弱らしいが、こうも気が強い女なんて面白いもんだ。気に入った。俺はこの姫君の相手をする」
──お前ら手を出すんじゃねぇぞ、と付け添えて、男はベルティーナに詰め寄り、藁の上に押し倒す。
ロートスとイーリスの悲鳴が耳につく。だが、たとえ穢されたとしても、命が助かるためには従うほかはないだろう。
当然、嫌だが……死ぬよりはマシだ。それにこんなに幼い子たちが、傷付くよりもずっと……。
そう思い腹を括った、ベルティーナが静かに瞼を閉ざした。その時だった──
ベルティーナは一つ舌打ちをして、納屋につくなり麦酒で酒盛りをし始めた男たちを睨みつけた。
「ごめんなさい、ベル様……」
原因を作ってしまったロートスはさめざめと泣き、その隣でイーリスも俯いて、肩を震わせていた。
「別に貴女たちは何も悪くないわ。淑女に対する扱いがなっていない傲慢な男が悪いのよ。いったい何が望みか分からないけれど……」
〝雌はよりどりみどり〟と言った時点で、浅ましいことを考えているのだろうと分かる。ほぼ成人の自分はともかく、こんな幼い少女たちをそんな対象に……。
そう思うと、烈しい嫌悪と憎悪が沸き立つ。ベルティーナは汚物でも見るような視線で酒盛りをしている男たちを睨み据えた。
……しかし、どうにか逃げることができないか。 せめてこの二人だけでも。
そうは思うが、後ろ手に拘束された縄はぴくりとも動かない。
ばつが悪そうにベルティーナが一つ舌打ちをした途端だった。イノシシ牙の男が、ぎろりとベルティーナの方を見据え、麦酒を置いて立ち上がった。
「は~ここまで来て、まだそんな顔をしていられる。人間様は脆弱らしいが、こうも気が強い女なんて面白いもんだ。気に入った。俺はこの姫君の相手をする」
──お前ら手を出すんじゃねぇぞ、と付け添えて、男はベルティーナに詰め寄り、藁の上に押し倒す。
ロートスとイーリスの悲鳴が耳につく。だが、たとえ穢されたとしても、命が助かるためには従うほかはないだろう。
当然、嫌だが……死ぬよりはマシだ。それにこんなに幼い子たちが、傷付くよりもずっと……。
そう思い腹を括った、ベルティーナが静かに瞼を閉ざした。その時だった──