秘密のカランコエ〜敏腕ドクターは愛しいママと子どもを二度と離さない〜
「おまちどーさまです!」
「はい、ありがとう〜」
 彩花の食器を用意して食べやすいようにセッティングしてから手を合わせる。

「みんなそろってご〜あいさつ〜」
「いただきます」

 これが我が家の食事前のルーティンだ。
 保育園で食事の前に歌っているという『おべんとう』の最後のフレーズだ。

 彩花はお子さまセットのうどんをフーフーと冷ましながら、勢いよくちゅるん! と音を立てて食べる。
 お子さまうどんセットをひとりで食べられるようになったという小さな変化にも、彩花の成長を感じる。

「ばあばの家にお泊まりする時のパジャマも買わないとね」
「プリンセスみたいなのえらぶ!」

 実は、彩花の手術が終わってから、母に宗一郎さんとのことを詳しく打ち明けることができた。
 宗一郎さんとの再会の経緯、正式に入籍したこと、彩花の父親は宗一郎さんであるということ。

 そして、今では第二子がおなかの中にいることを包み隠さず伝えることができた。
 今回のお泊まりは、今後のために本人には内緒ではあるが、彩花だけで祖母の家に泊まる練習といったところだ。
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