副業家政婦の仕事に『元彼社長からの溺愛』は含まれていないはずなのに
◇
「……で、昨日の件について、ちゃんと話してくれるよな?」
次の日、なんだかんだ逃げ出せずに彼の家へ向かった私は、早速いつもの定位置で慎也さんから詰められていた。
「どうして娘がいるのを隠していた?」
「……」
「副業していたのも娘のためか?」
「…………」
皮膚を突き刺すような視線が痛い。そのまま、心臓を突き破って心の奥底まで見透かされそうだ。
彼からの追求にそっぽを向く私だったけれど、「確か、紬って名前だったか……」と、娘の名前が出たところで私は彼に向き直った。
「別に隠してたわけじゃないの。聞かれなかったから、言わなかっただけで……」
「だけど、副業の理由を聞いたとき、誤魔化しただろ?」
「それは……そうだけど……」
もう何を言っても、彼には誤魔化しがきかなそうだ。素直に頼る相手がおらず、副業していたことを伝える。
すると、素直に伝えたはずなのに、彼の顔が険しくなった。