副業家政婦の仕事に『元彼社長からの溺愛』は含まれていないはずなのに
「さ、早くご飯の準備をしないと!」

 既に、紬の話で三十分ぐらい時間を使ってしまっている。

 それからの私はテキパキとご飯を作り、いつも通り軽く食事をとってから部屋の掃除に取り掛かった。

 どうやら先ほどの会話の延長なのか、使っていない部屋を掃除して欲しいと頼まれたのだ。
 ほぼ物が置かれていない殺風景な部屋のフローリングを綺麗に磨き、換気もして今日の仕事を終える。

 毎度のことながら彼から終了のサインをもらって、私は鞄にタブレットを詰めた。

「それじゃあ、また明後日に伺いますね」
「よろしく頼む」

 彼に見送られる形で玄関まで向かう。
 だけど、部屋を出る直前になって彼に呼び止められてしまった。
 しばらく待っていろと言われて大人しく待つ。

 程なくしてやってきた彼の手には、紙袋が握られていた。

「好みじゃないかもしれないが……」

 そう言って渡されたのは、青い包装紙に包まれた箱だった。
 包装紙のロゴを見るにお菓子だろうか。
 中身は何かと尋ねたら、予想通りお菓子だった。

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