副業家政婦の仕事に『元彼社長からの溺愛』は含まれていないはずなのに
 彼はロールキャベツもサラダもきんぴらもご飯もすべて平らげると、おかわりがしたいと言って、自ら皿を持ってキッチンへ向かった。

「相変わらず、よく食べますね」
「これでも減ったほうだけど」

 見た目の細さからは想像がつかないほど、彼は昔からよく食べる。減ったとは言いつつも、小さめのロールキャベツを二つも新たに盛ってきたので、思わず笑ってしまった。

「そんなに笑うことないだろ」
「だって……!」

 これ以上、笑うのは失礼だと無理やり笑いを引っ込めて、食べ終わった自分の皿をシンクに運ぶ。
 彼が食べている間に鍋の残りをタッパーに移し、洗えるものから片付けていくことにした。

「そういえば、家事代行サービスの会社に転職したんだな」

 大きく切ったロールキャベツをぱくりと口に含みながら彼が言う。

 私は彼からの言葉にぎくりと大袈裟なくらいに肩を跳ね上げた。

「えっと……転職はしてないっていうか……。これが本業ってわけではなくて……」
「は?」
「だから、その……」

 素直に言っていいものか迷って口籠る。
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