明治、契約の夜に咲く恋─御曹司の溺れるほどの愛
不思議な巡り合わせ。

思えば、商家の旦那様から妾の話を聞かされなければ、旦那様と出会う事もなかった。

「実は、妾を迎えようと言ったのは、姉さんなんだ。」

「えっ?」

私は上半身を起こすと、旦那様を見た。

「きっと逢坂家の未来を託せる人が来ると言って。」

旦那様は私の頬に手を当てた。

「まさか本当に、君という未来が来てくれるとは、思わなかった。」

私の目には、涙が溢れた。

「惇様こそ……私の未来です。」

そう言うと旦那様は私の腕を引いて、寝台に押し倒した。

「困ったな。今夜は眠れそうにない。」

「お好きなだけ、抱いて下さい。私は……あなたの……」

「妻だからな。」

そして私達は、また肌を重ね合わせた。

私達の間に、新しい命が授かったのは、それから一年後の事だった。


ー 完結 -


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