【マンガシナリオ】つづきは白衣を脱いでから~極上心臓外科医の独占欲を煽ったら溺愛されました~
2話 バカンスのはじまり
〇水上コテージ 朝
瑛人から助けた時のことを聞かされた愛未。
愛未「そうだったんですか!」「ご心配をおかけして。すみませんでした」
申し訳なさそうに両手を合わせる愛未。優しく微笑む男性。
愛未「わたし、愛未と言います」「日本人です」
男「ひとりで来たの?」
愛未「あ……はい」
言いにくそうな愛未。その様子を不思議そうに見る男。
男「申し遅れました。僕は瑛人です」
愛未(わたしより少し年上かな。二十代後半くらい?)「このお部屋、わたしが占領してしまって大丈夫だったんですか?」
瑛人「気にしないで。事情を話したら支配人が部屋をもうひとつ用意してくれたんだ」
愛未「そうでしたか。それで、あの、おいくらですか?」
言いにくそうにもじもじする愛未。
瑛人「え? ああ、部屋代? そんなの気にしないで」「そんなことより愛未ちゃん、お腹空いてない?」
瑛人笑顔のまま愛未に視線を合わせる。※背の高い瑛人が屈む感じで。
愛未(愛未、ちゃん?)(いきなり下の名前。でも嫌な感じがしないな……)
瑛人「ルームサービス頼んだんだけど、一緒に食べてくれたらうれしいな」「もちろんごちそうするよ」
愛未(思い返してみると日本を発ってからなにも食べていない。緊張してたからか機内食は全くのどを通らなかったし……)
お腹に手を置く愛未。タイミングよく「ぐう~」と鳴る。
愛未「(遠慮がちに)いいんですか?」
瑛人「もちろん」
ヴィラのスタッフが数名やってきてウッドデッキにテーブルとイスを設置しパラソルを立てる。
※席は海に向かって横並び。
真っ白なテーブルクロスをかけ、その上に置いたクラスにシャンパンを注いだ。
愛未はその様子を遠くから眺めている。
瑛人「おいで」
瑛人は遠慮している愛未の手を引く。手を握られて頬を赤く染める愛未。(恋心と言うより、男慣れしていないので照れる感じで)
瑛人はエスコートして椅子へと座らせる。
瑛人「シャンパンは好き?」
愛未「はい」
瑛人「じゃあ、乾杯しよう」
瑛人は愛未にグラスを掲げてシャンパンを飲み干した。
上下するのどぼとけ。筋張った手。瑛人のしぐさがとてもきれいで、見とれる愛未。
瑛人「どうかした?」
愛未「……いえなんでもありません」
愛未は視線を泳がす。おもむろにシャンパングラスを手に取ると、グイっと飲み干す。
愛未「おいしいです」
瑛人「よかった」微笑みながら「ここは朝食も旨いよ。楽しみにしてて」
やがて料理が運ばれてくる。
オムレツとサラダのプレート、フルーツの乗ったパンケーキ。スムージーとココナッツウォーター。日本でも見かけるようなメニューにどこかホッとする。
一口食べて目を丸くする愛未。
瑛人「どう?」
愛未「すごくおいしいです」
瑛人「だろ。これ食べたら警察へ被害届を出しに行って、観光でもする?」「それより日用品とか必要なものも買うのが先かな? 暇だから付き合うよ」
愛未「いいんですか?」「ありがとうござ……」
愛未は瑛人の薬指に光る指輪を見つける。
愛未「――え」(瑛人さん結婚してる?)
途端に落ち込む愛未。どんよりした表情に変わる。
愛未の視線に気づく瑛人。
瑛人「これ?」と左手の薬指を愛未に向ける。
無言でうなずく愛未。
少し寂しそうに微笑むと、瑛人はおもむろに立ち上がる。
ウッドデッキの際に立つと指輪を外して海へと投げ捨てた。
愛未「なにしてるんですか!」
慌てて立ち上がり瑛人の足元にしゃがんで海の底をのぞき込む愛未。
瑛人「いいんだよ。もう、薬指にはめる理由もなくなってしまったし」
愛未「どういうことですか?」
愛未が顔を上げると今にも泣きだしそうな瑛人の顔が見える。
瑛人「婚約破棄、されたんだ。しかもここへ来る直前に……」
ぼろぼろと泣き出す愛未。
瑛人「え、愛未ちゃん⁉」
オロオロする瑛人。
愛未「すみません。瑛人さんだって辛いはずなのにわたしにこんなに良くしてくれて……」
瑛人「僕だって、って?」
愛未「実は、わたしも別れたばかりなんです」「この旅行も一緒に来るはずで」
瑛人「そうだったのか」
愛未「彼氏に奥さんがいたんです……」「知らなかったとはいえ、不倫してたなんて。最低ですよね」
しゃくりあげながらなく愛未。隣にしゃがんで愛未の頭を撫でる瑛人。
瑛人「愛未はなにも悪くない。悪いのはその男だ」「だから泣かなくていい」
なだめる瑛人。
愛未「ううっ。えっ、ひっく……そんなに優しくしないでください」
瑛人「いやだね。少なくとも、目の前で泣いている女の子を放っておくことなんてできない」「そんな男の事なんて忘れるんだ」
愛未「忘れるなんて、きっと出来ないと思います……」
愛未モノローグ『初めての彼氏だった。小さな事でも嬉しくて忘れたくなくて、心に刻んだ』『だから、思い出の全てが心に深く焼き付いて、離れない』
愛未の様子を見て、無理そうだなと理解する瑛人。
瑛人「急には無理か……」「じゃあ、考えている暇がないくらい楽しむのはどう?」
愛未「そんなことできるんですか?」
瑛人「俺とならな」
自信に満ちた表情で言い切る瑛人。
愛未は瑛人の顔をじっと見つめる。
愛未(わたしは瑛人さんの言葉を信じたい)「よろしくお願いします」
瑛人「よし、そうと決まればまず腹ごなしだ!」「たくさん食べな」
愛未「はい!」
笑顔で返事をする。同時に弾けた涙がキラキラと輝いた。
瑛人から助けた時のことを聞かされた愛未。
愛未「そうだったんですか!」「ご心配をおかけして。すみませんでした」
申し訳なさそうに両手を合わせる愛未。優しく微笑む男性。
愛未「わたし、愛未と言います」「日本人です」
男「ひとりで来たの?」
愛未「あ……はい」
言いにくそうな愛未。その様子を不思議そうに見る男。
男「申し遅れました。僕は瑛人です」
愛未(わたしより少し年上かな。二十代後半くらい?)「このお部屋、わたしが占領してしまって大丈夫だったんですか?」
瑛人「気にしないで。事情を話したら支配人が部屋をもうひとつ用意してくれたんだ」
愛未「そうでしたか。それで、あの、おいくらですか?」
言いにくそうにもじもじする愛未。
瑛人「え? ああ、部屋代? そんなの気にしないで」「そんなことより愛未ちゃん、お腹空いてない?」
瑛人笑顔のまま愛未に視線を合わせる。※背の高い瑛人が屈む感じで。
愛未(愛未、ちゃん?)(いきなり下の名前。でも嫌な感じがしないな……)
瑛人「ルームサービス頼んだんだけど、一緒に食べてくれたらうれしいな」「もちろんごちそうするよ」
愛未(思い返してみると日本を発ってからなにも食べていない。緊張してたからか機内食は全くのどを通らなかったし……)
お腹に手を置く愛未。タイミングよく「ぐう~」と鳴る。
愛未「(遠慮がちに)いいんですか?」
瑛人「もちろん」
ヴィラのスタッフが数名やってきてウッドデッキにテーブルとイスを設置しパラソルを立てる。
※席は海に向かって横並び。
真っ白なテーブルクロスをかけ、その上に置いたクラスにシャンパンを注いだ。
愛未はその様子を遠くから眺めている。
瑛人「おいで」
瑛人は遠慮している愛未の手を引く。手を握られて頬を赤く染める愛未。(恋心と言うより、男慣れしていないので照れる感じで)
瑛人はエスコートして椅子へと座らせる。
瑛人「シャンパンは好き?」
愛未「はい」
瑛人「じゃあ、乾杯しよう」
瑛人は愛未にグラスを掲げてシャンパンを飲み干した。
上下するのどぼとけ。筋張った手。瑛人のしぐさがとてもきれいで、見とれる愛未。
瑛人「どうかした?」
愛未「……いえなんでもありません」
愛未は視線を泳がす。おもむろにシャンパングラスを手に取ると、グイっと飲み干す。
愛未「おいしいです」
瑛人「よかった」微笑みながら「ここは朝食も旨いよ。楽しみにしてて」
やがて料理が運ばれてくる。
オムレツとサラダのプレート、フルーツの乗ったパンケーキ。スムージーとココナッツウォーター。日本でも見かけるようなメニューにどこかホッとする。
一口食べて目を丸くする愛未。
瑛人「どう?」
愛未「すごくおいしいです」
瑛人「だろ。これ食べたら警察へ被害届を出しに行って、観光でもする?」「それより日用品とか必要なものも買うのが先かな? 暇だから付き合うよ」
愛未「いいんですか?」「ありがとうござ……」
愛未は瑛人の薬指に光る指輪を見つける。
愛未「――え」(瑛人さん結婚してる?)
途端に落ち込む愛未。どんよりした表情に変わる。
愛未の視線に気づく瑛人。
瑛人「これ?」と左手の薬指を愛未に向ける。
無言でうなずく愛未。
少し寂しそうに微笑むと、瑛人はおもむろに立ち上がる。
ウッドデッキの際に立つと指輪を外して海へと投げ捨てた。
愛未「なにしてるんですか!」
慌てて立ち上がり瑛人の足元にしゃがんで海の底をのぞき込む愛未。
瑛人「いいんだよ。もう、薬指にはめる理由もなくなってしまったし」
愛未「どういうことですか?」
愛未が顔を上げると今にも泣きだしそうな瑛人の顔が見える。
瑛人「婚約破棄、されたんだ。しかもここへ来る直前に……」
ぼろぼろと泣き出す愛未。
瑛人「え、愛未ちゃん⁉」
オロオロする瑛人。
愛未「すみません。瑛人さんだって辛いはずなのにわたしにこんなに良くしてくれて……」
瑛人「僕だって、って?」
愛未「実は、わたしも別れたばかりなんです」「この旅行も一緒に来るはずで」
瑛人「そうだったのか」
愛未「彼氏に奥さんがいたんです……」「知らなかったとはいえ、不倫してたなんて。最低ですよね」
しゃくりあげながらなく愛未。隣にしゃがんで愛未の頭を撫でる瑛人。
瑛人「愛未はなにも悪くない。悪いのはその男だ」「だから泣かなくていい」
なだめる瑛人。
愛未「ううっ。えっ、ひっく……そんなに優しくしないでください」
瑛人「いやだね。少なくとも、目の前で泣いている女の子を放っておくことなんてできない」「そんな男の事なんて忘れるんだ」
愛未「忘れるなんて、きっと出来ないと思います……」
愛未モノローグ『初めての彼氏だった。小さな事でも嬉しくて忘れたくなくて、心に刻んだ』『だから、思い出の全てが心に深く焼き付いて、離れない』
愛未の様子を見て、無理そうだなと理解する瑛人。
瑛人「急には無理か……」「じゃあ、考えている暇がないくらい楽しむのはどう?」
愛未「そんなことできるんですか?」
瑛人「俺とならな」
自信に満ちた表情で言い切る瑛人。
愛未は瑛人の顔をじっと見つめる。
愛未(わたしは瑛人さんの言葉を信じたい)「よろしくお願いします」
瑛人「よし、そうと決まればまず腹ごなしだ!」「たくさん食べな」
愛未「はい!」
笑顔で返事をする。同時に弾けた涙がキラキラと輝いた。