そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~
「そんな顔するんだ」
男は蓮へ銃を構えたまま、どこか楽しそうに目を細めた。
「首領に銃を向けた君は、感情を捨てたみたいな顔してたのに。ねぇ?」
「……!」
一番触れられたくないところを、触れられたみたいに。
胸が、ずきりと痛む。
——この男。
まさか、あの場に……?
この男はおそらく Nocturneの一員。
Nocturneは、私の両親を殺した。
だから。
……… Nocturneの首領は────8年前に、私が撃った。
……でも、それで完全に終わったはずだった。
完全に、消えたはずだったのに。
「君には銃なんて向いてないよ。撃った“感触”って、残るよねー」
銃を持つと、思い出してしまう。
撃たれて目の前で冷たくなった両親の姿も。
引き金を引いたあの感触も。
こんなの、律にも蓮にも知られたくないのにっ……。
「でもオレ、感謝してるんだよね」
……え、何が……?