そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~
「だからさ?昨日も言ったけど、俺君が欲しいの」
「……意味が、分からないです。私を恨んでるんじゃないんですか」
自分のボスを撃った私を欲しい、なんて。
なんでそうなるのか、全く分からない。
そもそも私だって Nocturneには恨みがあるんだから、そんな提案に乗るわけがないのに。
「恨んでないよ。俺個人は。だから君が俺の元に来てくれるなら誰も傷つかなくて済むよ?」
そう言って、銃口を下ろさないまま視線だけを屋台の方へ向ける。
人が、集まっている方。
「俺の仲間、あっちにもいっぱいいるんだよねー」
……… Nocturneは手段を選ばない組織。
冗談じゃない。
それを、私は誰よりも知っている。
「彩葉、こいつの話に耳を貸すな」
「お前は黙ってなよ」
蓮が言うと、
銃口が更にぐっと強く、蓮のこめかみに押し当てられた。
一ミリでも指が動けば、蓮が危ない。
「君が来てくれないなら、君の大事なものが危険な目に遭うってこと」
男はまるで雑談でもするみたいな軽い口調で続ける。
「わかってる?」