そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~
——四年前。
雨の匂い。
鉄の味。
血に濡れた地面に、私の腕の中で倒れ込む律。
「……彩葉……っ」
私を庇って、撃たれた背中。
「……ぁ……」
息が、詰まる。
今と、過去の区別がつかないみたいに。
蓮の体重が私にかかる。
また……
また、私のせいで……?
頭が、真っ白になった。
私がやらなきゃ、守らなきゃ。
でも……もう遅い。
ぐちゃぐちゃに絡まった思考の中で──
その混乱を、真っ二つに切り裂くように
低い声が、落ちた。
「……誰が、撃てって言った?」
その一言で。
空気が、凍った。
あまりにも強い威圧感に、私は反射的に顔を上げていた。