鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~


 午前中の出来事を話せば、篠田は含みのある笑みを浮かべながら、深く頷いている。

「部長に期待されて嬉しかったわけね」
「はい」

 まったくその通りだ。孝仁からの期待が嬉しくて、今朝のやり取りを脳内で再生してはにやけている。

「やっぱり私の言ってた通りじゃない。牧野ちゃんは最初から期待されてるんだって」
「いや、どうなんでしょう? 本当にいつも叱られてばかりでしたから」

 コンテストに関しては期待されているとわかるが、これまでもそうだったかと言われると自信がない。特に、異動したばかりの頃は、それはもう毎日のように叱責を食らっていたのだから。

「だから、それも期待の裏返しなの」
「うーん、ですかねー? でも……ふふふ、そうだとしたら嬉しいですね」

 コンテスト以外でも期待されていたのかもしれないと思うと、また顔がにやけてしまう。どうやら孝仁関連の話題になると、梢の表情筋は勝手に緩んでしまうらしい。
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