鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
 孝仁や永山など数人が会議で席を外す中、残ったメンバーは至って真面目に業務にあたる。鬼がいないからといって仕事をサボりはしない。サボりがバレたら後が怖いし、むしろ鬼がいない今が平和に仕事を進められるチャンス。

 梢も今ばかりは余計なことを考えずに済むと、先日終えられなかったアンケートに関する作業を進める。

(落ち着いて作業できるって幸せ。このペースなら今日中に完了できそうだな)

 期限はまだ先だが、早めに終わらせるに越したことはない。この作業以外にも仕事はあるし、いつまた孝仁から無茶ぶりをされるかわからない。

 あの人はいつもタイミングを見計らったように、ギリギリキャパオーバーにならない範囲で新しい仕事を積んでくるのだ。余裕ぶっていては痛い目を見ることになる。

 梢は集中モードに入り、さらにペースを上げて、仕事に取り組む。作業がサクサク進むのが楽しい。おかげで嫌な出来事も今は思い出さない。

 すっかりいつもの調子を取り戻した梢だが、残念ながらその状態はあまり長くは続かなかった。
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