鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「そこはさー、ほら、牧野ちゃんが期待されてるってことでしょ」
「いやいや、それはないですって。企画部レベルのものは求めてないって言われたんですから」
「そりゃ、最初からそのレベルは無理でしょ。それでも牧野ちゃんには光るなにかがあると思ってるんじゃないかな。そうじゃないと、企画十本も考えろなんて言わないと思う」
一ミリも共感できない。あの鬼から期待されるには、改革を起こすくらいのことをしないと無理ではないだろうか。この課題もすらすらとこなせる人でないと当てはまらないと思う。
「えー、そんなふうには思えないんですけど。むしろ不出来と思われてそう……仮に期待されてたとしても企画十本なんて……なにかご褒美でもないとやってられないですよ」
せめて二、三本なら課題と割り切って頑張れる。でも、十本はゴールが遠すぎてやる気が出ない。
「あー……牧野ちゃん」
篠田はなんとも言えない困った表情を浮かべている。追い詰められている梢にかける言葉が見つからないのかもしれない。
篠田はなにか言い淀んでいる様子だが、梢はただ聞いてもらうだけで十分。ただ胸に溜まった不満を吐き出したいのだ。
「私が企画十本考えたところで、給料に還元されることはないじゃないですか。企画部志望でもないから、やりがいも特に持ってないですし。まあ、それなりの報酬があれば、やる気も出るんですけどねー」
会社員が給料以外に報酬を求めるのはおかしなことだとは思いながらも、今回ばかりはなにかを望みたくなる。そのくらい課題のハードルが高いと思っているし、そもそもまだ納得がいっていない。
企画部志望でも、経験者でもない自分がなぜという思いが消えないのだ。
梢は腕を組んで、負の感情とともに「はあ」と息を吐き出す。社会人としてとても褒められた態度ではないが、篠田の前だからと遠慮なく不満を表に出した。
それが自分の首を絞めるとも知らずに。
「いやいや、それはないですって。企画部レベルのものは求めてないって言われたんですから」
「そりゃ、最初からそのレベルは無理でしょ。それでも牧野ちゃんには光るなにかがあると思ってるんじゃないかな。そうじゃないと、企画十本も考えろなんて言わないと思う」
一ミリも共感できない。あの鬼から期待されるには、改革を起こすくらいのことをしないと無理ではないだろうか。この課題もすらすらとこなせる人でないと当てはまらないと思う。
「えー、そんなふうには思えないんですけど。むしろ不出来と思われてそう……仮に期待されてたとしても企画十本なんて……なにかご褒美でもないとやってられないですよ」
せめて二、三本なら課題と割り切って頑張れる。でも、十本はゴールが遠すぎてやる気が出ない。
「あー……牧野ちゃん」
篠田はなんとも言えない困った表情を浮かべている。追い詰められている梢にかける言葉が見つからないのかもしれない。
篠田はなにか言い淀んでいる様子だが、梢はただ聞いてもらうだけで十分。ただ胸に溜まった不満を吐き出したいのだ。
「私が企画十本考えたところで、給料に還元されることはないじゃないですか。企画部志望でもないから、やりがいも特に持ってないですし。まあ、それなりの報酬があれば、やる気も出るんですけどねー」
会社員が給料以外に報酬を求めるのはおかしなことだとは思いながらも、今回ばかりはなにかを望みたくなる。そのくらい課題のハードルが高いと思っているし、そもそもまだ納得がいっていない。
企画部志望でも、経験者でもない自分がなぜという思いが消えないのだ。
梢は腕を組んで、負の感情とともに「はあ」と息を吐き出す。社会人としてとても褒められた態度ではないが、篠田の前だからと遠慮なく不満を表に出した。
それが自分の首を絞めるとも知らずに。