鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「すみません、勝手にご自宅に上がってしまって」
「いや、君は悪くない。謝罪をするのは私の方だ。申し訳ない。迷惑をかけた」

 孝仁は梢に向かって深く頭を下げている。確かに迷惑をかけたのは孝仁の方だから、その謝罪は妥当なものだが、鬼上司が頭を下げるなど簡単には受け入れられない。

 想像すらしたことないその姿に、梢はおろおろと慌てふためく。

「ええ!? ぶ、部長!?」
「本当にすまない。私はアルコールを受け付けない体質なんだ。だが、どうやらあの日は誰かが気を利かせてアルコール飲料を頼んだようで、うっかりそれを口にしてしまった。飲んだのは少量だが、それでもダメだったようだな。申し訳ない」

 初めて知る新事実に衝撃を受ける。もしも世間話として聞いていたら、大層驚いていたことだろうが、今は孝仁の真摯な態度が梢を冷静にさせてくれる。

「いえ……そのような体質とは知らず……お体は大丈夫ですか?」
「問題ない。翌日には回復していた」
「そうですか。それならよかったです」

 適当な相槌ではなく、心から安堵する。下手をすれば命を脅かしていた可能性もあったのだから。
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