鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
 一ヶ月ぶりに取り戻した課題に追われることのない日々。今は妙なプレッシャーも、強い焦りも感じることはない。ここ最近は孝仁からの無茶ぶりもないから、心身ともに安らいでいる。

 時折、孝仁が輝いて見えることだけは気にかかるが、仕事の方は平穏そのもの。平和ボケして、同僚と軽い雑談をしてしまうほどだ。

「カフェのお知らせ見ました? 期間限定のショコララテが販売されるみたいですよ。おいしそうですよねー」

 ショコララテのイメージ画像を隣の席の同僚と一緒にうっとりと見つめる。十一月に入り、少しずつ寒くなってきた今、こういう甘いものに自然と惹かれてしまう。

 それは隣の同僚も同じなのだろう。二人して甘いもの談義に花を咲かせる。

「冬のショコララテは正義だよね。そうだ。チョコレート系のドリンクなら、駅前の洋食屋が出してるホットチョコレートがおすすめだよ。牧野さん、知ってる?」
「いえ、知らないです。今度、行ってみようかな」

 仕事の合間のたわいもないおしゃべり。ほんの少しの気分転換だが、あるとないとでは大違い。本当に今のマーケティング部は平和だ。
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