鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
「随分とお気に召したようだな。それほどうさぎが好きなら、実物を見に来るか?」
「えっ、いいんですか!? 見たいです!」
前のめりになって主張すれば、孝仁は困ったように額を押さえている。
「……君は学習できない人間なのか?」
「なっ!? どうしてですか!?」
「男の家にむやみに行くものではないと言っただろう」
以前、叱られたことを思い出す。しかし、この場合、悪いのは誘った孝仁の方ではないだろうか。
「ぶ、部長が誘ったんじゃないですか。それに今の部長は酔ってないですし、そもそも部長が変なことするとは思ってませんから」
「そうだとしても、警戒心は常に持っておけ。今、少しも躊躇わなかっただろう」
「うっ……はい」
深く考えずに誘いに乗ったとバレている。この人の正論に勝つには、まだまだ修行が必要なようだ。
「まあいい。都合がつくなら、十九時にマンションの入口に来なさい。あの日の礼も兼ねて、少しだけこの子に会わせよう」
孝仁は梢の前に置いていたスマホをさっと取り上げる。かわいいうさぎが遠のいてしまい、梢の口からは思わず「あっ」という声が漏れた。
「言っておくが、十九時を過ぎたら、私は待たないからな」
「は、はい! 行きます! 十九時にお伺いします!」
結局、この言葉も深く考えずに口に出していたが、孝仁はもうなにも言わなかった。おかげで、梢の頭の中はあの日見たうさぎのことでいっぱいになっていた。
「えっ、いいんですか!? 見たいです!」
前のめりになって主張すれば、孝仁は困ったように額を押さえている。
「……君は学習できない人間なのか?」
「なっ!? どうしてですか!?」
「男の家にむやみに行くものではないと言っただろう」
以前、叱られたことを思い出す。しかし、この場合、悪いのは誘った孝仁の方ではないだろうか。
「ぶ、部長が誘ったんじゃないですか。それに今の部長は酔ってないですし、そもそも部長が変なことするとは思ってませんから」
「そうだとしても、警戒心は常に持っておけ。今、少しも躊躇わなかっただろう」
「うっ……はい」
深く考えずに誘いに乗ったとバレている。この人の正論に勝つには、まだまだ修行が必要なようだ。
「まあいい。都合がつくなら、十九時にマンションの入口に来なさい。あの日の礼も兼ねて、少しだけこの子に会わせよう」
孝仁は梢の前に置いていたスマホをさっと取り上げる。かわいいうさぎが遠のいてしまい、梢の口からは思わず「あっ」という声が漏れた。
「言っておくが、十九時を過ぎたら、私は待たないからな」
「は、はい! 行きます! 十九時にお伺いします!」
結局、この言葉も深く考えずに口に出していたが、孝仁はもうなにも言わなかった。おかげで、梢の頭の中はあの日見たうさぎのことでいっぱいになっていた。