鬼上司のバニーガール ~部長、あなたが撫でているのは愛兎ではなくあなたの部下です~
 孝仁はキッチンからリビングへと移動し、その場に鞄と上着を置いている。そうして手ぶらの状態になってから、さらに奥の部屋――うさぎがいる場所へと歩を進めた。

「荷物を置いてから、こちらに」
「わかりました」

 言われた通りにリビングに荷物を置いてから、梢も奥の部屋へと入る。自然と目線はケージの方へ。そうすれば、すぐにあのかわいらしいうさぎが瞳に映り込んだ。

 孝仁はリビングへ続く扉を閉めてから、ケージを開け放つ。

「スイ、ただいま」

 孝仁の帰宅に喜んでいるのだろうか。スイは床に座った孝仁の足に前足をかけ、彼に顔を近づけている。

「ん、今日もいい子だったな。よしよし」

 孝仁がスイの頭を撫で始めると、スイはその場にぺたんと伏せ、なんとも不思議なフォルムになっている。

(じ、実物がかわいすぎる……! なにこの生き物!)

 お尻の方は盛り上がってまん丸になっているが、頭の方はペタンと平らになっている。まるでツチノコのようなフォルムだ。
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