猫になった私を拾ったのは、私に塩対応な婚約者様でした。
猫語でルーク様への罵詈雑言を言い尽くしてしまった後は、ルーク様に飼われる日々を悪くないとさえ思い始めていた。
初めは部屋にシェリルを連れ込んでいるのではないかと警戒したけれど、そんな様子はなく。
ヒトに戻ったら不貞の証拠を叩きつけて、
『こんな婚約こっちから願い下げよ!』とルーク様を見限ってやろうと思っていたのに、部屋を漁っても証拠らしいものなんて出てこない。
代わりに見つけたのは、かつてルーク様を好きだった私が送った手紙の山。
「ミリィ、また散らかしたのか?」
コレはダメと、ルーク様が私から手紙と書きかけの便箋を取り上げる。
「にゃーにゃー」
どうせ猫語は通じないと、気まぐれに鳴き声を上げた私に、
「ミリアは、すごいな。こんなに沢山書いてくれて。俺は綴れる言葉が見つけられなくて、一通も返せなかったのに」
ルーク様の声が落ちてくる。
「下手でも、返せば良かった」
「にゃー(ほんと、それな)」
さっき初めてみた沢山の書き損じた便箋。
そこに、甘い言葉などなく。
正直、業務報告書かとツッコミそうだったけど。
それでも、返事がないよりもずっと私は喜んだだろう。
なんて、ルーク様らしい、と。
「ミリア」
と後悔を孕んだ音が落ちてくる。
私がいなくなって2週間。ずっと、そうで。
私を呼ぶ悲しい声に絆されそうになる。
なんなら可愛いまでもある。
でも、とルーク様に伸ばしかけた右足を止める。
きっと私が人間に戻ったら、私達の関係は前と同じで冷え切ったモノに戻るだろう。
盲目的に信じられる初恋マジックはもう解けた。
そして、耐えるだけの日々を過ごすなんて私は絶対嫌だった。
初めは部屋にシェリルを連れ込んでいるのではないかと警戒したけれど、そんな様子はなく。
ヒトに戻ったら不貞の証拠を叩きつけて、
『こんな婚約こっちから願い下げよ!』とルーク様を見限ってやろうと思っていたのに、部屋を漁っても証拠らしいものなんて出てこない。
代わりに見つけたのは、かつてルーク様を好きだった私が送った手紙の山。
「ミリィ、また散らかしたのか?」
コレはダメと、ルーク様が私から手紙と書きかけの便箋を取り上げる。
「にゃーにゃー」
どうせ猫語は通じないと、気まぐれに鳴き声を上げた私に、
「ミリアは、すごいな。こんなに沢山書いてくれて。俺は綴れる言葉が見つけられなくて、一通も返せなかったのに」
ルーク様の声が落ちてくる。
「下手でも、返せば良かった」
「にゃー(ほんと、それな)」
さっき初めてみた沢山の書き損じた便箋。
そこに、甘い言葉などなく。
正直、業務報告書かとツッコミそうだったけど。
それでも、返事がないよりもずっと私は喜んだだろう。
なんて、ルーク様らしい、と。
「ミリア」
と後悔を孕んだ音が落ちてくる。
私がいなくなって2週間。ずっと、そうで。
私を呼ぶ悲しい声に絆されそうになる。
なんなら可愛いまでもある。
でも、とルーク様に伸ばしかけた右足を止める。
きっと私が人間に戻ったら、私達の関係は前と同じで冷え切ったモノに戻るだろう。
盲目的に信じられる初恋マジックはもう解けた。
そして、耐えるだけの日々を過ごすなんて私は絶対嫌だった。