運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 晴香がうわごとのように呼んでいた名前を呼ぶと、ぱっちりとした瞳を数回瞬かせ、結菜ちゃんは「うん」とうなずいた。どうして知ってるの?と言わんばかりの表情に、俺はにっこりと笑う。

「ママとはお友だちなんだ。一緒にママを待ってくれる?」
 そう尋ねると、結菜ちゃんはジッと俺の瞳を見つめた後、コクリとうなずいた。

 武藤に頼んだのは、VIPなども使うプライバシーが守られたフロア。それなりの人しか入れないエリアに、俺の力を使って用意をさせてしまったが、今はそれが必要な気がした。駆け落ちをした旦那から逃げている可能性だってあるだろうし、子どももいる。これは真っ当な人助けだ。そう自分に言い聞かせながらも、晴香の怪我の様子が気になる。
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