運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 予想外の結菜の発言に、優希くんは驚いた声を上げた。それは私も同じで、内心「しまった」と思う。以前、結菜には「パパは王子様なんだよ」と言ったことがあったのだ。父親のことを嫌いになってほしくなくて――素敵な人だったのだと、そう思ってほしくて。けれど、まさか本人に向かってそんなことを言ってしまうなんて。

「あっ、えっと……」
 どう言い訳をすべきかわからずに口ごもる私の前で、弾んだ声が響いた。

「ママが、パパは王子様って言ってたの」
 はっきりと言ってしまえば、もう私は何も言えない。ここで否定すれば、結菜を傷つけてしまうだろう。そう思っていると、ちょうど信号で車が停まった。
 優希くんは後ろを振り返り、まっすぐに結菜と視線を合わせる。

「そうだよ。ゆーくんは王子様だから、結菜ちゃんのパパだよ」
 そう答えると、結菜は大きな目をさらに見開き、うれしそうに手を叩いた。
「パパ!」
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