運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
「疲れたかな」
 結菜を抱っこしていた優希くんが、そう言いながらベビーカーを準備する。座面を倒し、そっと寝かせようとする姿に、私は胸が温かくなる。
「久しぶりにこんなふうに外に出たから……本当に楽しかったし、刺激も多かったんだと思う」
 私は結菜を優しく受け取り、ベビーカーに寝かせてタオルをかけた。
「そうか」
 その三文字に、どんな感情が含まれているのかはわからない。

 結菜が眠ってしまい、いきなりふたりきりになった私は、何か話題を探そうとした。けれど、それはどれも、昔の楽しかった思い出になってしまいそうだった。それを今、話してはいけない。そう思ったとき、優希くんが静かに口を開いた。

「晴香って、図書館にいるときも、こんな個室みたいな壁際に座ってることが多かったな」
 懐かしむような話に、私は避けていたのに、と思いながらも、その光景が浮かんでしまう。
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