運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
「そうだったね。なんか、落ち着いたの」
 私は小さく笑いながら答える。懐かしい記憶が、胸の奥をじんわりと温めていく。

「絶対にひとりで勉強したいって思ってるの、知ってて声かけたもんな」
「ええ? そうだったの?」
 思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。

「そう、無理やり隣に座った」
 初めて聞く内容に、私は目を丸くしつつも懐かしさが込み上げ、あの母たちもいた幸せだったころに思いをはせる。
「あのころは、幸せだったな……」
 水の入ったグラスに視線を落としながら、ついそんな言葉が零れ落ちてしまい、ハッとする。
「ごめん。こんな話」
 慌てて謝ると、優希くんがまっすぐに私を見つめていた。
「俺こそ、ごめん」
「何が?」
 どうして謝られたのかわからなくて私が首をかしげると、優希くんは私から視線を逸らすことなく言葉を続ける。

「車の中で、結菜ちゃんにパパだって言ったこと。晴香、怒ってたよな?」
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