運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 ――彼ほどの立場にある人間が、子持ちの女性をかくまっている。そんなことを、朝倉家が許すはずがないことなど少し考えればわかったはずなのに。

「彼女たちを家に送ってからでいいか」
「いえ、会長は女性とお子様をお連れするようにとのことです」
 淡々と告げられた言葉に、優希くんは眉をしかめた。

「きちんと俺から話にいくといっただろ?」
「そんなことが通用するとお思いで?」
 黒ずくめの男性が感情を抑えた声音で問い返す。その光景に、私は胸の奥で先ほどの自分の決意を思い出した。
「行きます」
 はっきりと口にした瞬間、優希くんが大きな声で私の名を呼ぶ。

「晴香!」
 その瞳には心配の色が浮かんでいるように見えた。

「当たり前のことだよ。朝倉家の後継者にはふさわしい女性を、と望まれるのは当たり前で……子どもを抱えた女と暮らしているなんて許されないでしょう」

「晴香で何の問題もない」
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