嗚呼、愛しの婚約者様
 計画のため、私が粘り強く耐えたことで前回の断罪の時期を超え、私は十七歳の誕生日を迎えた。マティアス様も既に誕生日を迎えており、私達が正式に婚姻する成人まで三年を切った。

 私を気に入っている王妃様は、
「愛しい貴女に神の祝福があらんことを……」
と私のために祈ってくれた。
 お優しい王妃様を早く安心させてあげなくては、と私はついに練りに練った計画を実行することにした。

 学園に入学して一年も経たないが、既に計画の準備は万端だ。
 生徒達の同情は全て私に向いていて、逆にあの女への反感は日々強くなっている。今ならば、少しでもあの女に怪しい点があれば、誰も疑わずに彼女を悪女のように言うだろう。

 そうして機を狙い、あの女が一人になるのを待った。孤独なあの女が一人になるのは案外早く、前回は失敗した広間の階段で、その時がやって来た。
 私は長い階段の中央に立ち、上から彼女が近付いて来る足音を聞き振り返る。

「あら、こんにちは、ユリアナさん」

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