嗚呼、愛しの婚約者様
「し、しかし、エレオノーラはユリアナが救おうと伸ばした手を振り払ったと……!」
マティアス様が苦し紛れに殿下の考えを否定する発言をすると、殿下はすぐに食いついた。
「それはユリアナ嬢の証言かな?」
そして今度はユリアナに向かって質問を投げかける。
「は、はい……」
馬鹿な女は、身の程も弁えず私の婚約者にしがみつき、殿下の質問に対し怯えたように返事をする。
その返事を聞くと、殿下は再びマティアス様を見た。
「そうか。そもそも本人の証言な時点で証拠にはなり得ないが、よく考えてみろ」
殿下の鋭い瞳に睨まれる愛する婚約者を見てみれば、一瞬だけ彼が殿下に戦いているように映った。
「階段から地面に落下していくエレオノーラ嬢が彼女の手を取っていたら、今ごろ彼女はどうなっていたと思う?」
殿下の質問に、場にいた全員が何かに気付いたようにざわめき始めた。「……まさか……!」と私の婚約者も驚いたように私を見る。
ようやく私を見てくれた、と私は言葉の意味など考えず、そんな彼と見つめ合った。
「エレオノーラ嬢を救おうとした彼女も、巻き添えを食らい大怪我を負っていただろうな」
あぁ、そういうこと。
マティアス様が苦し紛れに殿下の考えを否定する発言をすると、殿下はすぐに食いついた。
「それはユリアナ嬢の証言かな?」
そして今度はユリアナに向かって質問を投げかける。
「は、はい……」
馬鹿な女は、身の程も弁えず私の婚約者にしがみつき、殿下の質問に対し怯えたように返事をする。
その返事を聞くと、殿下は再びマティアス様を見た。
「そうか。そもそも本人の証言な時点で証拠にはなり得ないが、よく考えてみろ」
殿下の鋭い瞳に睨まれる愛する婚約者を見てみれば、一瞬だけ彼が殿下に戦いているように映った。
「階段から地面に落下していくエレオノーラ嬢が彼女の手を取っていたら、今ごろ彼女はどうなっていたと思う?」
殿下の質問に、場にいた全員が何かに気付いたようにざわめき始めた。「……まさか……!」と私の婚約者も驚いたように私を見る。
ようやく私を見てくれた、と私は言葉の意味など考えず、そんな彼と見つめ合った。
「エレオノーラ嬢を救おうとした彼女も、巻き添えを食らい大怪我を負っていただろうな」
あぁ、そういうこと。