嗚呼、愛しの婚約者様
全ては、私が計画を失敗したことが原因。愛する彼に真実を悟られさえしなければ、もっと上手い計画を立てていれば、婚約破棄など告げられはしなかっただろうに。
演技で流していたはずの涙が本物に変わり頬を伝うと、唐突に殿下の指がそれを拭った。
驚きから殿下に視線を移し、小さく呼びかける。
「……殿下?」
すると彼は、穏やかな微笑みを向けてきた。
「この国の王太子として、我が弟の愚かな発言は取り消させて頂こう。そして今回の件は証拠が少ないことから、エレオノーラ嬢とユリアナ嬢どちらへの嫌疑も不問とする」
凛とした声での宣言に、講堂内は拍手に包まれた。けれど、私は別のことに頭を悩ませていた。
例え殿下が第三王子であるマティアス様の発言を取り消すと宣言したところで、身分剥奪や国外追放はまだしも、婚約破棄を告げたことまでは取り消せない。私は、自身にも疑いをかけられる要素があったのだ、と婚約破棄を受け入れなければならないだろう。
殿下のおかげで疑惑は晴れたけれど、実際に私はあの女を殺そうとしたのだから、当然の結末ではある。
演技で流していたはずの涙が本物に変わり頬を伝うと、唐突に殿下の指がそれを拭った。
驚きから殿下に視線を移し、小さく呼びかける。
「……殿下?」
すると彼は、穏やかな微笑みを向けてきた。
「この国の王太子として、我が弟の愚かな発言は取り消させて頂こう。そして今回の件は証拠が少ないことから、エレオノーラ嬢とユリアナ嬢どちらへの嫌疑も不問とする」
凛とした声での宣言に、講堂内は拍手に包まれた。けれど、私は別のことに頭を悩ませていた。
例え殿下が第三王子であるマティアス様の発言を取り消すと宣言したところで、身分剥奪や国外追放はまだしも、婚約破棄を告げたことまでは取り消せない。私は、自身にも疑いをかけられる要素があったのだ、と婚約破棄を受け入れなければならないだろう。
殿下のおかげで疑惑は晴れたけれど、実際に私はあの女を殺そうとしたのだから、当然の結末ではある。