嗚呼、愛しの婚約者様


 時が戻る前と同じように、婚約者と共に学園に入学した私は、今度こそ完璧な殺害計画を立てるため、あの女のことを隅々まで調べ上げた。

 ユリアナは十歳の頃に父親を亡くし、今は母親と幼い三人の弟達と共に生活しているらしい。幼い弟や妹を養うため、朝から晩まで働く母親を想い、就職にも有利な王立学園に入学したようだ。

 けれど、あの女の目的は本当にそれだけかしら?
 あの女は確かに成績優秀かもしれないが、純粋で愛らしいフリをして、結果的に王族であるマティアス様を籠絡し、明らかな好意を寄せられ自惚れていた。だからこそ、あの断罪の場で私の罪を声高らかに彼に言わせたのだろう。
 もしかしたら、王族に付け入ることで生活の手助けをして貰おうと考えていたのかもしれない。

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