嗚呼、愛しの婚約者様
 今回こそは、必ず彼を私の隣に連れ戻してみせる。そして調子に乗ったあの女に最悪な不幸をお見舞いし、彼を篭絡したことを心の底から後悔させてやる。

 待っていなさい……ユリアナ。

 そうして毎夜計画を練っていると、私は素晴らしい案を思い付いた。
 私が彼女を殺す必要はない。平民のせいで公爵令嬢である私が大怪我を負えば、貴族に怪我を負わせた罪で必然的にあの女は処刑されることになる……。

 ふふ……そうよ、そうだわ……。
 今回は、私が彼女に突き落とされましょう。

 作戦が決まれば話は早かった。私はどんなに愛しの婚約者とあの女が仲良くなろうと邪魔をしたりはせず、ただ遠くから悩ましげに、幸せそうな二人を眺めた。そうすると、同じ貴族である生徒達は私に同情し、平民であるユリアナを陰で非難するようになった。

 生徒達に距離を置かれ孤独になったユリアナを、優しいマティアス様が慰めているところに、私が偶然のふりをしてわざわざ出向き、悲しげにその場を立ち去れば、あの女に対する生徒達の非難はさらに過激になった。

< 9 / 42 >

この作品をシェア

pagetop