転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜
「浮遊!」
完全に消える前に、体を浮かせた。キラリと最後の輝きを瞬かせて、跡形もなく消失した。
「なく……なったわね」
「ああ」
よく分からないが、真実の愛に達したようだ。そうか……最後までするのが真実の愛かと思ったけど、違ったのか。
――ガチャリ。
「「え」」
突然、扉がまた開いた。
トラとオリヴィアだ。
「素っ裸で王子を誘惑。やるにゃんね〜」
「ちっ、ちがぁ!?」
「学園でするなんて不潔」
「し、してないから!!!」
「邪魔したわね。お楽しみ遊ばせ」
「待ってっ……!」
扉は閉められた。
「素っ裸じゃないから! 下は穿いてるからー!!!」
果たして、扉の向こう側に聞こえているのだろうか。
「あーもう! 着替えてくるから! 今日のことは、全部忘れなさいよね!」
「……忘れていいのか?」
「忘れたふりをしろって言ってるの! もうもうもうっ!」
そこにあったビニールプールで水を浴びて試着室へと入っていったラビッツに話しかけ続ける。
「結局、どうして水着だったんだ?」
「そこのビニールプールの思念品で遊んであげてるの。これからもここには入って来ないでよ。女子が着替えてるかもしれないわ」
「……分かった」
なるほどな。
これも、そうだったのか。
ラビッツと違って、俺の制服はドロドロだ。水を魔法で生み出して洗うか。
「さっきのマッサージオイルや石鹸はどこから現れたんだ」
せっかくだし石鹸を使わせてもらおう。お、バスタオルもあるじゃないか。床のドロドロを拭いて、一緒に洗うか。
「顧問からもらったって、リュークが持ってきたらしいわ」
あー、リュークは浄化のためにここに入れるのか。ずるいな。別に入りたいわけじゃないけどな。というか、顧問とやっぱり会ってるのか……。
「着替えたわよ……って」
「おう、お疲れ」
「なんで素っ裸なのよー!!!」
「え、洗ってる」
「下はちゃんと隠しなさいよ!」
「ラビッツの見ちゃったし、見せた方がいいかなって」
「だから下は穿いてるってば!!!」
「水着も洗うから寄越せよ」
「自分で洗えるわよ!」
ドスドスと音が聞こえるような足どりでラビッツが隣に来た。
――コンコン。
今度はノックだけだ。
「どうぞー」
「どうぞじゃないわよ!? あんたっ、その格好で……っ」
「おう。朝飯のサンドイッチ置いとくなー」
リュークだった。
どうやら誰かに何かを聞いたようだ。
「ありがとな」
「朝チュンお疲れ。じゃーな」
扉が閉められた。
「あ、朝チュンじゃないわよー!!!」
今日はたくさんラビッツの叫び声を聞いたなと思いながら、ゴシゴシと洗う。魔法世界は大変に便利だ。浮遊させて外に水を捨て、新たな水を生み出せる。
「ラビッツの体も洗ってやろうか?」
「結構よ!」
「裸の付き合いをした仲じゃないか」
「だから、忘れたふりをしなさいと言ったでしょう!」
胸ポケットの扇子で盛大にはたかれた。そんなラビッツの左手の薬指には、俺のあげたビーズリングが光っている。
「夏休みの課題が終わったら、たくさんデートしような」
ラビッツが、聞こえるか聞こえないか分からないほどのかすかな声で「……うん」と答える。
頷く仕草もどこかぎこちなくて愛おしくて――、もう一度扇子ではたかれるまで、俺は彼女を見つめ続けた。
完全に消える前に、体を浮かせた。キラリと最後の輝きを瞬かせて、跡形もなく消失した。
「なく……なったわね」
「ああ」
よく分からないが、真実の愛に達したようだ。そうか……最後までするのが真実の愛かと思ったけど、違ったのか。
――ガチャリ。
「「え」」
突然、扉がまた開いた。
トラとオリヴィアだ。
「素っ裸で王子を誘惑。やるにゃんね〜」
「ちっ、ちがぁ!?」
「学園でするなんて不潔」
「し、してないから!!!」
「邪魔したわね。お楽しみ遊ばせ」
「待ってっ……!」
扉は閉められた。
「素っ裸じゃないから! 下は穿いてるからー!!!」
果たして、扉の向こう側に聞こえているのだろうか。
「あーもう! 着替えてくるから! 今日のことは、全部忘れなさいよね!」
「……忘れていいのか?」
「忘れたふりをしろって言ってるの! もうもうもうっ!」
そこにあったビニールプールで水を浴びて試着室へと入っていったラビッツに話しかけ続ける。
「結局、どうして水着だったんだ?」
「そこのビニールプールの思念品で遊んであげてるの。これからもここには入って来ないでよ。女子が着替えてるかもしれないわ」
「……分かった」
なるほどな。
これも、そうだったのか。
ラビッツと違って、俺の制服はドロドロだ。水を魔法で生み出して洗うか。
「さっきのマッサージオイルや石鹸はどこから現れたんだ」
せっかくだし石鹸を使わせてもらおう。お、バスタオルもあるじゃないか。床のドロドロを拭いて、一緒に洗うか。
「顧問からもらったって、リュークが持ってきたらしいわ」
あー、リュークは浄化のためにここに入れるのか。ずるいな。別に入りたいわけじゃないけどな。というか、顧問とやっぱり会ってるのか……。
「着替えたわよ……って」
「おう、お疲れ」
「なんで素っ裸なのよー!!!」
「え、洗ってる」
「下はちゃんと隠しなさいよ!」
「ラビッツの見ちゃったし、見せた方がいいかなって」
「だから下は穿いてるってば!!!」
「水着も洗うから寄越せよ」
「自分で洗えるわよ!」
ドスドスと音が聞こえるような足どりでラビッツが隣に来た。
――コンコン。
今度はノックだけだ。
「どうぞー」
「どうぞじゃないわよ!? あんたっ、その格好で……っ」
「おう。朝飯のサンドイッチ置いとくなー」
リュークだった。
どうやら誰かに何かを聞いたようだ。
「ありがとな」
「朝チュンお疲れ。じゃーな」
扉が閉められた。
「あ、朝チュンじゃないわよー!!!」
今日はたくさんラビッツの叫び声を聞いたなと思いながら、ゴシゴシと洗う。魔法世界は大変に便利だ。浮遊させて外に水を捨て、新たな水を生み出せる。
「ラビッツの体も洗ってやろうか?」
「結構よ!」
「裸の付き合いをした仲じゃないか」
「だから、忘れたふりをしなさいと言ったでしょう!」
胸ポケットの扇子で盛大にはたかれた。そんなラビッツの左手の薬指には、俺のあげたビーズリングが光っている。
「夏休みの課題が終わったら、たくさんデートしような」
ラビッツが、聞こえるか聞こえないか分からないほどのかすかな声で「……うん」と答える。
頷く仕草もどこかぎこちなくて愛おしくて――、もう一度扇子ではたかれるまで、俺は彼女を見つめ続けた。