転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜
「セイナ・ラミエル。父上の同級生。彼女を今も見守っているのが顧問だ。父の剣の講師として王家に勤めていたこともある、グラン・アスフォード」
「ああ……そうだ」
「当時の学園警備隊の隊長、セイナ。花火の魔道具が暴発し、顧問とともに命を落とした。発電装置を利用して盛大な花火を打ち上げようと思った生徒が放置した改造魔道具による悲劇。おかしな気配を感じて様子を見に行った直後の悲しい事故だ」
「ああ、そこまでは有名だな。入学してまだ日も浅かった」
彼女たちの死を悼んで、夢結びの儀はあそこで行われた。父が卒業するまで。
「亡くなったはずの彼女が、秋頃から突然現れ――それまでの記憶がまるで彼女と共に過ごしたように塗り替えられる。そして夢結びの儀が執り行われると、彼女の存在は忘れられる。秋から冬にかけての記憶だけがわずかに残る。そうだったはずです」
「そうだな。私だけがハッキリと覚えている」
王族はこの世界で、特別だからな……。
その事故が有名だからこそ、旧校舎から追い返された生徒はたとえ姿を見たことがなくても、その少女と結びつける。
「彼女が亡くなった翌年からは、父上の前にしか姿を現していない。彼女と約束したはずです。卒業までに彼女を空へと還すことができなければ、いつか自分の子供をこの場所に送り込むと。その時になら、果たせなかった心残りを解き放てるしれないと」
「なぜ、それを。まさかもう……」
ゲームで知っているだけだ。
「僕が、女神の加護を強く受けているからです。知っているんですよ。まだ彼女には会っていませんが顧問にはお会いしました。あの、存在を濃くするネックレスを顧問に渡したのも父上ですね」
「お前はどこまで……」
「今度こそ、終わらせる」
「ニコラ」
「楽しい記憶を持って空へと還れるように、全力を尽くします」
父は静かに頷いた。
空気が変わったような気がした。確かな信頼を感じる。
「……頼んだぞ」
「はい」
彼女の最後の記憶を、悲しみではなく幸せで満たしたい。俺だけでは無理だ。皆の力が必要だ。
夏は終わった。
これから冬へと向かう。
――どうか願いの光が、彼女の魂を導くように。
「ああ……そうだ」
「当時の学園警備隊の隊長、セイナ。花火の魔道具が暴発し、顧問とともに命を落とした。発電装置を利用して盛大な花火を打ち上げようと思った生徒が放置した改造魔道具による悲劇。おかしな気配を感じて様子を見に行った直後の悲しい事故だ」
「ああ、そこまでは有名だな。入学してまだ日も浅かった」
彼女たちの死を悼んで、夢結びの儀はあそこで行われた。父が卒業するまで。
「亡くなったはずの彼女が、秋頃から突然現れ――それまでの記憶がまるで彼女と共に過ごしたように塗り替えられる。そして夢結びの儀が執り行われると、彼女の存在は忘れられる。秋から冬にかけての記憶だけがわずかに残る。そうだったはずです」
「そうだな。私だけがハッキリと覚えている」
王族はこの世界で、特別だからな……。
その事故が有名だからこそ、旧校舎から追い返された生徒はたとえ姿を見たことがなくても、その少女と結びつける。
「彼女が亡くなった翌年からは、父上の前にしか姿を現していない。彼女と約束したはずです。卒業までに彼女を空へと還すことができなければ、いつか自分の子供をこの場所に送り込むと。その時になら、果たせなかった心残りを解き放てるしれないと」
「なぜ、それを。まさかもう……」
ゲームで知っているだけだ。
「僕が、女神の加護を強く受けているからです。知っているんですよ。まだ彼女には会っていませんが顧問にはお会いしました。あの、存在を濃くするネックレスを顧問に渡したのも父上ですね」
「お前はどこまで……」
「今度こそ、終わらせる」
「ニコラ」
「楽しい記憶を持って空へと還れるように、全力を尽くします」
父は静かに頷いた。
空気が変わったような気がした。確かな信頼を感じる。
「……頼んだぞ」
「はい」
彼女の最後の記憶を、悲しみではなく幸せで満たしたい。俺だけでは無理だ。皆の力が必要だ。
夏は終わった。
これから冬へと向かう。
――どうか願いの光が、彼女の魂を導くように。


